就寝時の体位を変えてみる
メルマガ「何となく体調不良のまま人生送るんですか?」Vol.11(2002.8.13 配信)から抜粋
2006.6.15upload
こんにちは・・・。 体調はいかがですか? 今回も、簡単にできる体調改善メソッドをご紹介しましょう。

その前に・・・ こんな話をご存じですか? 「茹で蛙シンドローム」という話です。
熱い湯で満たされた鍋に蛙を投げ込むと、蛙は驚いてとっさに飛び出ます。しかし、少し低温の水が入った鍋に蛙を入れて徐々に水温を上げていくと、28℃ぐらいで蛙は良い気分になって動きがゆったりしてくるそうです。そして、その後も少しずつ温度を上げていくと、蛙はとうとう茹で上がって死んでしまうことがあるそうです。
すなわち、ぬるま湯の環境にどっぷりと浸かっていると、思考力・行動力は低下してしまって、その後徐々に環境が悪化しても、蛙は「何か変だ、何かおかしい」と思いながらも、悪環境から逃げ出す行動ができなくなってしまうというのです。その気になれば、簡単に逃れることができるのに・・・。

なんだか示唆に富んでいる話だと思いませんか? ややもすると私たちは、自分の周り数メートル四方を見て、それが絶対に変えられない環境だと思ってしまっている(というか、変えてみるという発想自体がわかない)時があるんですね。職場でも、家庭でも、サークルでも、その他いろいろな環境で・・・。 
でも、ほんのちょっと外側には別の様々な環境があって、いつでもそこに移ることは可能なんです。それに気がつくと、心に大きな余裕が生まれます。すると面白いことに、“ちょっと今の環境を改善してみよかな”なんていう勇気がわいてきたりもします。いずれにしても環境を変えるということは、まず自分が変わって何らかの行動を起こすということに他なりません。

私たちの体調不良も「茹で蛙シンドローム」と同じようなことが起こっているのかもしれません。ちょっと意識して環境を変えてみると、その体調不良やイライラ感が嘘のように無くなってしまうかもしれませんね。


さて、それでは本題に入りましょう。難しいことではありません。就寝時の体位をちょっと変えてみましょうというお話しです。

あなたも「北枕」という言葉を聞かれたことがあると思います。
そもそも「北枕」というのは、お釈迦様が入滅されたときの横たわった姿勢に由来しています。「頭北面西右脇臥」(ズホクメンザイウキョウガ)と言って、頭を北に、顔を西に向け、右脇腹を下にした寝姿でお亡くなりになられたのです。
この姿を模したものが「釈迦涅槃像」です。なぜ、このような姿勢でお亡くなりになったのかは、こじつけも含めて諸説あるようです。

お釈迦様は深く内観することによって悟りを開かれました。ご自分の心や身体の状態を細部に渉り見つめ、把握されていたのです。当然、就寝するときにはどのような姿勢が理にかなっているのか、楽なのかということにも気づいておられたことでしょう。

故郷を目指す最後の旅の途中でお亡くなりになったのですが、食事の後に横になられたのが最期の姿です。おそらく、右脇側を下にして横になった方がお腹に負担がかからないことをご存じだったのでしょう。確かに食事の後、左脇側を下にして横になると、お腹が痛くなりますよね。これは、十二指腸へと向かう胃の前庭という場所が右側に進行しているためです。ですから、左脇側を下にして横になっていると、のぼり道になってしまいますから、胃の蠕動運動が空回りして、消化物が逆流してしまうのが原因です。臨終の床ではなおさらでしょう。

次に「頭北」について考えてみましょう。
地球には定常磁場があり、その地球を取り巻く宇宙には電磁波があふれています。これらの電磁波は互いに影響しあい、大きなうねりとなって地球表面で共鳴しています。1952年に米国イリノイ大学のシューマン教授によってこの現象が発見され「シューマン共振」と名付けられました。生物が誕生するずっと以前から、地球はシューマン共振電磁波で満たされていたわけですから、人間の電磁系器官がシューマン共振をベースに作り上げられていることは容易に想像できることです。

英国マンチェスター大学のロビン・ベイカー博士によって、人間の脳に磁気系器官があることが証明されています。渡り鳥と同じように磁力線を感知して方向感覚を得ることが可能かもしれないのです。地図もコンパスも、天体の知識もなかった頃、電磁波等を感知する感覚を頼りに移動していたのかもしれませんね。

脳幹のすぐ上にある松果体は、人体のサーカディアンリズム(一日周期のリズム)を司っています。光量を測定して環境(一日)のリズムを捉え、メラトニン、セロトニン、ドーパミン等の神経伝達物質を生成して、体内時計の維持調整をしています。すなわち、眠りと覚醒についても重要な働きをしているわけです。
最近、この松果体にも電磁場を感知する機能があることが分かってきました。ですから、眠りと覚醒のリズムが電磁波に影響されている可能性が大なのです。

また、コンパス(方位磁針)にN極とS極があるように、人体も極性を持っていることが分かっています。コンパスの針ならクルリと回ってN極が北の方向を指して安定することができますが、人間が寝ている場合はそうはいきません。ですから、就寝中ずっと、身体が電磁場的に安定しているのか、ちょっとずれているのか、あるいはまるっきり反対なのかが決まってしまうわけです。それにより、脳の電磁系器官も影響を受けるはずです。血液の流れなどにも実効的な影響があるかもしれません。

お釈迦様は、日々深く内観されることにより、枕の方向によって体調が変化することに気づいておられたのではないでしょうか。体調がすぐれないときには北枕で休んだ方が良いとか・・・。

私も、枕の向きをいろいろ変えて寝ることを実践しています。そうすると、睡眠の深さが変わったり、抑圧されていた感情が解放するような夢を見たり(こんな時はぐったりと疲れて目覚めますが、すぐに気分が軽やかになります)、身体の疲れがすっきり抜けてリフレッシュしたりと様々な反応が体験できます。ですから、例えば「明日は、短時間で起床しなければいけない」とか「最近、精神的に疲れが溜まっているなー」というようなケース毎に、眠りをマネジメントできるようになってきます。

しかし、ある方向が良かったからといって、ずーっと同じ方向で寝ていても効果の実感は続かないようです。また、現代は住宅の電磁波環境が個々によって複雑ですから、一概に“どの方向に向いて寝ましょう”ということも言えません。というか、誰にでも当てはまると言える程のデータが無いのが現状です。

「そんなの偶然だよ」「向きを変えるだけで治るんなら苦労はしないよ」等という考えは少し横に置いておき、「今日はどの方向で寝ようかな」と意識して実践してみてください。もしかすると、何か有用な個人的法則が発見できて、長年の体調不良もコントロールできるようになるかもしれません。
「茹で蛙シンドローム」で人生を棒に振らないためにも・・・。先ずは北枕からお試しを。







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