バイオフィードバック法
メルマガ「『成功する人』と『失敗する人』の決定的な違い」Vol.24(2005.6.20 配信)から抜粋
2006.6.15upload
こんにちは。お久しぶりです。

これまでに、『成功する人』と『失敗する人』の決定的な違いを、「心構え」「思考速度」「コアセルフ」などの側面からお話ししてきています。コアセルフを確立する方法としては、「一念想」というメソッドをご紹介しましたね。身体を脱ぎ、感情を脱ぎ、そして思考を脱ぐというあのメソッドです。さて、あなたはコアセルフの確立をどの辺まで進めていますか?

本号では、一念想トレーニングをサポートする「バイオフィードバック法」をご紹介したいと思います。

バイオフィードバック法とは、トレーニング者自身の刻々と変化する生体情報(皮膚温、皮膚電気活動、脈拍、脳波など)を指標としながら、徐々にそれらの生体活動をコントロールする能力を身につけるというものです。結果的に、緊張やストレスを感じてしまうシーンでも、自身の心を適切にコントロールすることができるようになります。

例えば、アルファ脳波は、リラックスしているときに強く出現するということを多くの人が知っています。しかし、自身の脳波を意識的にコントロールできる人は多くありません。それは当然のことで、コントロール対象の脳波の状態が分からない(意識できない)からです。状態が分からない対象をコントロールすることはできないのです。ところが、アルファ脳波の強さをリアルタイムにフィードバックされると、「心身の感覚」と「アルファ脳波」の相関関係が徐々に掴めてきます。すると、心身をどのようにセットすればアルファ脳波が優勢になるのか、体得することができるのです。

自身の脳波を知らない人にとっては、「アルファ脳波はリラックスしているときに(も)優勢になる」という知識は、机上の空論でしかないのです。


本来、「一念想」の実践は、最中の身体感覚、感情、思考をもう一人の自分がつぶさに観察しながら進めていきます。しかし、独りでこのトレーニングを進める場合、トレーニングの方向性などに不安がつきまとうものです。

そこで、トレーニングの方向性を的確かつ明確にガイドしてくれるのが、本号のテーマである「バイオフィードバック法」です。

バイオフィードバック法で用いるマシーンについては、以下URLに詳しく掲載してます。中でもお薦めのマシーン(メソッド)は、コストパフォーマンスとトレーニングの手軽さが好評の「ヘルシー」(皮膚電気活動をフィードバックします)です。
http://www.selsyne.com/aim/products/index.htm

このヘルシーメソッドで、私のいう「身体を脱ぐ」「感情を脱ぐ」という感覚は掴めると思います。

パソコンのUSB端子に繋いだマウス型電極に軽く指を乗せ、大きく深呼吸します。順調にリラックスすると、フィードバック音のトーンがそれに連動して徐々に下がってきます。モニターに表示されるリラックス曲線の軌跡で、自身のリラックス度の変化を確認することもできます。

もしもうまくリラックスできないときは、色々と試行錯誤してみます。以下に、その例を紹介しましょう。

例1.電極に乗せている指先、掌、手の甲全体がポカポカと暖かい、とイメージします。太陽の暖かい光線が手の甲に差しているイメージや、筋肉が弛緩して血管が拡張し、そこに新鮮で温かい血液が流れ込んでくるというイメージも効果的です。

例2.手の甲から指先にかけて、愛する人(子供、恋人、尊敬する人)にそーっと手を重ねられるイメージと共に脱力します。

これらのイメージは、息をゆっくりと吐きながら深めていくと良いでしょう。

電極に置いている手のリラクゼーションが掴めたら、そのリラクゼーションが、腕、肩、首へと広がり、そして、もう一方の側も同じようにリラックスしているとイメージします。

両腕から肩、首までのリラクゼーションが、頬、顎、瞼、耳、額へと伝わっていき、とても気持ちよくなるのを感じてください。ここまで感じることができたら、そのとき呼吸は、深くゆったりとして、お腹も脱力していることが分かるでしょう。

そして、そのリラクゼーションが、腰、両方の太腿、ふくらはぎ、足首、足の甲、足の裏へと伝わっていき、到頭(とうとう)身体全体がとても気持ちよく脱力していきます。

ここまで到達したら、身体に溜まった過剰ストレスがどんどん解放されていきます。トレーニング後に覚醒すると、静寂なスッキリ感を得ることができます。「コアセルフが身体を脱ぐ」まであと一歩です。

22号でお話ししましたが、コアセルフが身体を脱ぐと、イマジネーション力が飛躍的に高まります。この状態でメンタルトレーニングを実践すると、確かな成果を実感することができるでしょう。

このように、バイオフィードバック法は、一念想トレーニングの初期段階で、方向性を的確にガイドしてくれるのです。


ただし、一つだけ言及しておきたいことがあります。

試合やプレゼンテーションなどの本番直前に、このようなリラクゼーション・メソッドを実践するのは良くありません。脱力してしまって最高のパフォーマンスが発揮できないし、感動を与えるほどのエネルギーも出てきません。本番直前は、雑緊を取り去る程度がベストです。万が一雑緊が残っていても、本番が始まってしまえば数秒から数分のうちに消えてしまいます。

本番直前の意識は、リラックスすることに向けるのではなく、発揮したいパフォーマンス、得たい結果に向けるのです。そのためには、6号でお話ししたように、日頃の「平常不動心(ビョウジョウフドウシン)」の実践が大切なのです。


本番に強い『成功する人』は、荒ぶる身体と感情を乗りこなして、最高のパフォーマンスでダイナミックに成功を手にします。

本番に弱い『失敗する人』は、荒ぶる身体と感情を抑えることに気を奪われて、無難なパフォーマンスで良しとします。


バイオフィードバック法は、日頃のストレスリダクション、メンタルトレーニング、そして、一念想のガイド役として有効にご活用ください。






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