あなたの傍らに、赤ん坊が一人いるとします。赤ん坊をそこに置いて、あなたと他の全員がそこを立ち去ると、残された赤ん坊はどうなりますか?
セミナー等でこの質問を投げ掛けると、次のような答えが返ってきます。
・泣き出す。・お漏らしする。・寝る。・遊ぶ。・おしゃぶりする。・お母さんを捜す。
私が、「そして、そして、そして…」を繰り返して回答を促しても、だいたい上の回答で煮詰まってきます。
そして、おもむろに一人の参加者が、言いにくそうに答えを言ってくれます。
その答えとは、あなたはどう思いますか? |
答えは、「死ぬ」です。そんなこと思ったとしても言いにくいですよね。でも厳然たる成り行きです。
赤ん坊は、潜在能力(可能性)を沢山持っていますが、生きるために今発揮できる能力は殆どゼロです。ですから、生きるのに必要な要求を、それこそ死にものぐるいで表現するのです。お腹が減ったとき、お漏らししたとき、痒いとき、痛いとき、触れたいとき等様々です。
このときに学んでいるのです。どんな表現をしたら自分の要求が伝わり、それを満たしてもらえるのかを。このようにして、死にものぐるいで学んだ達成方法は、深く強烈に焼き付けられます。すなわち、脳細胞のネットワークが構築されるのです。
少し成長してからも、例えば、お店で欲しいおもちゃを見つけたときに、どんな風に言動すればおもちゃが手に入るのかを学んでいるのです。いい子チャンになったり、泣きわめいたり、静かになったり、おもちゃをジッと見つめたりと。
このようにして出来上がった達成方法は、大人になってからも無意識のうちに使われます。上司に対する要求、部下に対する指導、営業方法、プロポーズ等、様々なシーンでです。
しかし、その方法が、「どんな場面でも最高の結果を引き出す交渉方法」であるとは限らないのです。 |
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