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弊社代表和田知浩が、折に触れて気ままに「人生成功」に関するメッセージを投稿しています。
vol.224 『12月にオンエアされた3本のテレビ番組を振り返る。』 2011.12.31
2011年も最後の一日となった。年末の挨拶は恒例のメルマガ共通号外で述べるとして、このブログでは、12月にオンエアされた3つのテレビ番組を振り返りたいと思う。いずれも私が脳波の測定と解説を行ったものだ。
1.フジテレビ「ウルトラヴォイス」 12月11日OA
2.テレビ朝日「中居正広の怪しい噂の集まる図書館」 12月13日−14日OA
3.フジテレビ「激辛王」 12月24日OA
「ウルトラヴォイス」は、FNSソフト工場におけるさくらんぼテレビ(山形)の企画だ。FNSソフト工場とは、「視聴率をとれる番組」をコンセプトにFNS系列局が番組制作の腕を競うというもので、各地域ブロックが制作した番組は全国のFNSでオンエアされる。
「ウルトラヴォイス」は、さくらんぼテレビで11月14日に、その後各系列で順次オンエアされフジテレビは12月11日だった。
制作会社から電話でご相談をいただいたのが9月20日で、10月2日にご来訪くださり概要を打ち合わせ、同月18日に新橋のとある場所にて収録した。これが編集され、スタジオ収録は10月24日だったと聞いている。
番組のメインテーマは、「人の心を癒す声とは・・・」である。
スズムシの鳴き声を聞いているとアルファ波が増強することが紹介された。
そして、いよいよ面白実験である。
イライラしている人にウイーン少年合唱団を聴かせたら本当に怒りがおさまるのか!?
スピードワゴンの井戸田潤さんに脳波センサーを装着。
仕掛け人の小沢一敬さんが、助手の仕掛け人役中嶋時男さんに無線で指示。
アダチさんの名前を出して井戸田潤さんを動揺させる。
さらにイライラさせるために写メールを強要。
ウイーン少年合唱団を聴かせると次第に落ち着いていってアルファ波優勢となった。
こんな風に番組は展開した。ロケ現場で、「折角だからもう少し観察していたい」とお願いしたのだが、結果が見えたところでカットとなった。致し方ない・・・。
収録後、小沢一敬さんが私のツイッターアカウントを見つけて、「お疲れ様です。今日お世話になりましたスピードワゴンの小沢です。先生のおかげでとても楽しいロケでした。いろいろ失礼してすみませんでした。また何かあればよろしくお願いします。」とつぶやいてくださった。ご一緒したタレントさんからメッセージを頂戴するのは初めてのことだった。オンエア直前には、もう一人の仕掛け人である中嶋時男さんからもメールをいただいた。本当に楽しいロケだった。
次は、テレビ朝日でオンエアされた「中居正広の怪しい噂の集まる図書館」である。ご相談の電話をいただいたのが11月24日、ロケは明後日の26日早朝からだった。この時の様子は、前号の「そびえ立つ成功の下にある“盤石”を見た思い。テレビ番組でキスマイの脳波を測定して・・・。」で紹介している。
このロケが編集され、その後スタジオで収録された。
この番組は、巷で噂されている都市伝説の正否を実際に検証して白黒付けるというもの。
今回検証する都市伝説は、「寝つきが良くなる一番の飲み物はホットミルクである!?」だ。
身体を張って検証したのは、Kis-My-Ft2(キスマイフットツー)の玉森裕太さんと藤ヶ谷太輔さん。
脳波測定器はアルファータ「FM-717」。脳波センサーはセルシネ特製の「エンフレック」。
管理栄養士の岸村康代先生と一緒に別室で観察した。
二人の脳波グラフの他、寝顔と音声もモニターしながら入眠時点を判定した。
Kis-My-Ft2ファンから、二人の寝顔が見られて嬉しいという声が沢山寄せられた。ならば、寝息を聴かせてあげたらもっと嬉しかったのかなーと思った。残念ながら、オンエアに寝息は乗っていなかったようだ。収録中も私は、脳波グラフと寝顔ばかりに集中していたが、横で岸村先生が「寝息も聞こえてきましたねー」とおっしゃった。私はそこで初めて二人の寝息に気がついた。
さて、最短入眠時間を記録するのはホットミルクなのか?
ホットミルクの他、はちみつ入りレモンジュース、ジャスミンティー、ハーブティー、レタスジュース、ココアの計6種類の飲み物が用意された。
ホットミルクを飲んで、「優しいねー」と玉森裕太さん。
藤ヶ谷太輔さんもホットミルクを飲んで、「これは寝れそう・・・」
午前中からの入眠実験だが、二人とも気持ちよさそう。なぜ寝れるのか、もう一つの理由は後ほど・・・
寝入りの良さに私も思わず「ん!?」。
特に藤ヶ谷太輔さんはすぐに入眠モードとなる。
ホットミルクの入眠効果は確かにありそう。
二人の寝入りに、スタジオでも興味津々。
この脳波が10秒続けば入眠したと判定。
ホットミルクは二人とも同時に入眠。判定した私もビックリ。
そしてすぐに優しく起こす。実は、色んな起こし方をしたのだが・・・
はちみつ入りレモンジュースを飲んで再び入眠計測スタート。
3品目はジャスミンティー。
最後の6品目はハーブティー。
岸村康代先生によると、ハーブティー自体にリラックス効果があるとのこと。
へーっ! 私も勉強になった。
結局、今回の実験で一番入眠効果のある飲み物はハーブティーだった。
あっ、脳波センサーが外れ掛かっているシーンが使われてる・・・。ガーン!
この入眠実験も含めて、高橋ジョージ夫妻の白黒予想はパーフェクトだった。
Kis-My-Ft2の二人は、スタッフと一緒に徹夜した後にこの実験に臨んだのだ。ホントに・・・
脳波センサーが外れ掛けているシーンには参った。スタジオでも関根勤さんが「外れてる・・・」とたぶん指摘してる。実際の実験現場では、センサーが外れ掛けて測定不能になったので装着し直している。
それにしても、Kis-My-Ft2ファンの勢いは凄かった。このロケの様子を少しだけツイッターでつぶやいたらすぐに広まったし、前号のブログ記事「そびえ立つ成功の下にある“盤石”を見た思い。テレビ番組でキスマイの脳波を測定して・・・。」には4,717件のアクセスがあり、267名がこのブログ記事をツイートしてくださった。自身のブログで引用してくれた見知らぬブロガーもいる。日頃地味に投稿している私にとっては嬉しい驚きの数字である。感謝・・・
この入眠実験は、メンタルトレーニングのための脳波研究としても示唆に富んでいた。ちょっとしたハプニングが発生して実験が中断し、その後に再開したときのことだ。それまでは、ベータ波からすぐにストーンと入眠モードに入っていた藤ヶ谷太輔さんの脳波が、再開後はしばらく強いアルファ波優勢になったことだ。
メンタルトレーニングをする際の脳コンディションはアルファゾーンが望ましいが、この状態を維持するのはなかなか難しいのだ。被験者の意図しないところでのこの劇的な変化は多いに参考になった。
最後は、フジテレビ「激★王」だ。シリーズ第3弾目となる今回は、韓国へ連れて行ってもらった。
第1弾「激辛王」の優勝は、奇跡の“覚醒シータ波”を出した大どんでん返しのほっしゃん。。
第2弾「激熱王」優勝は、アドレナリンを出していち早く完食した武蔵さんを、ドーパミン系完食で逆転した森永卓郎先生。
さて今回は・・・
ロケは4月に行われ、同月26日にプロ野球の雨傘番組としてセットされたが、プロ野球が開催されたのでこの日までオンエアが延びた。
自称激辛好き挑戦者は、森永卓郎、舟山久美子、元木大介、清水ミチコ、ザブングル加藤、具志堅用高、IKKO、東貴博、仲間リサ、博多華丸、ほっしゃん。の各諸氏。MCは中山秀征さんと戸部洋子アナ。
タイトル映像もリニューアルされていた。
in韓国
この10名と、遅れて参戦した博多華丸さんの計11名の挑戦者。
いつもドキドキして登場。慣れないモンで・・・
今は9,000人を超えている。
まずは各挑戦者の基準脳波を測定。
見栄を張ってもすぐバレる?と清水ミチコさん。
これまでの武勇伝を披露する自慢タイム。舟山久美子さんも負けじと・・・
森永卓郎先生はこれまでの全シリーズに参戦。
戸部洋子アナが激辛料理を試食。
元木大介さんの汗がとんでもないことに。
森永卓郎先生、はやくも完食。さすが・・・
Aグループ予選ラウンドの結果発表。
ザブングル加藤さんが最下位。
動揺のためか目がキョロキョロしていて、筋電が邪魔して正確な脳波が測れませんでした。
舟山久美子さんが第4位。実はダイエット中で辛い物を避けていたので、久しぶりの激辛にお腹がビックリしましたとのこと。
明らかにベータ波が増えてます。
元木大介さんは食後もアルファ波をキープ。
スペシャルゲストの一組目は超新星。
Bグループの予選ラウンドがスタート。
「うめぇ〜」とやせ我慢の東貴博さん。
「耳に膜がはった感じ」とほっしゃん。。無理はしないでね・・・。本当に心配。
ほっしゃん。の尋常でない発汗に一同唖然!
脳波測定タイム。
Bグループ予選ラウンドの結果発表。
遅れてきたばかりの博多華丸さんが最下位。すぐにUターン帰国。
博多華丸さんの脳波。一目瞭然、注意散漫状態に。
判定理由にぐうの音も出ない博多華丸さん。
かわいそうですが、結果はこの通りです。
MCの二人と一緒に、挑戦者をバッサバッサと切っていきます。
可もなく不可もなし。いえいえ、芸風ではありません・・・
「ちょっちゅね」だろ! 怒りの中山秀征さん。なだめる戸部洋子アナ。今ロケ中ベスト3の爆笑。ナイス突っ込みの喝!
準決勝ラウンドに進んだのはこの6名。
ほっしゃん。むせる・・・。覚醒シータ波に突入か?
ギブアップ?
続くパニック。
準決勝ラウンドの結果発表。
食事だけでこんなに脳波が変わるとは・・・。清水ミチコさんの脳波。
ほっしゃん。の“覚醒シータ波”は不発に終わった。
「覚醒シータ波を理性で押さえました」とほっしゃん。。
スペシャルゲストの二組目はティアラ。
いよいよ決勝ラウンドに突入。「今日の朝、お尻が痛かった」とIKKOさん。3日間に渡って激闘が続いています。
意外と余裕の仲間リサさん。
激辛王の発表。
激辛王はIKKOさんに決定。
IKKOさん本人が一番驚いてる。
優勝に誘ったIKKOさんの脳内の秘密とは・・・、CMの後で・・・
痛美味しい。
この「激★王」がオンエアされているとき、ツイッターのトレンドに「激辛王」がランクインした。自分の関わったことがトレンドに表示されるのは初めての体験だった。
以上の3本が今月放映された。
出演のオファーをいただくのは本当にありがたいことだ。日頃の脳波研究では得られないデータと経験が番組制作の現場にはある。これをまた、サポーティングバイオフィードバック訓練の現場に生かしていくのだ。
「マッチポンプで切り拓く?」 2010年4月7日投稿。この気持ちは今も変わらない。
セルシネ・エイム研究所 和田知浩
vol.223 『そびえ立つ成功の下にある“盤石”を見た思い。テレビ番組でキスマイの脳波を測定して・・・。』 2011.11.28
凄く面白く、大変興味深い脳波測定だった。
テレ朝のADから脳波測定のご相談を頂いたのは先週の木曜日だ。脳波測定器レンタルサービスの弊社サイトを見ながらである。
いつものように番組の概要を聞いた後、弊社で提供している数種類の脳波測定器について説明し、使用する脳波測定器を選択してもらった。選ばれた脳波測定器は、アルファータ「FM-717」だった。
収録は2日後の土曜日とのこと。テレビ関連からのオファーはこんなに急な話もよくあることだ・・・。第25回「二四土研鑽会」の予定があったが、スケジュールを調整してオファーをお受けすることにした。
収録当日、約束の午前7時に少し余裕をもって六本木に着いたときには、東の空に残った朝焼けがテレ朝社屋をまだ照らしていた。
オンエア前なので番組の内容は言えないが、脳波研究として大変貴重な測定データを得ることができた。
脳波測定器「FM-717」は脳波の原波形を観ることができないので、今回の番組で依頼されたような判定を下すのは大変難しいと思われた。ところがどっこい、単純化した脳波のスペクトルグラフでもバッチリ観察することができた。
被験者は、ジャニーズ事務所の7人組Kis-My-Ft2(キスマイフットツー)の中からFとtの2名だった。Fは藤ヶ谷太輔さん、tは玉森裕太さん、現在人気急上昇中のイケメンコンビだ。
二人は、番組が仕掛けたとても過酷な状況をよく頑張った。こんなシチュエーションに被験者を晒して脳波を測定することなど、日頃の脳波研究ではなかなかできることではない。
実際、ハプニングで撮影が中断したし、このまま中止になってしまうのではないかと心配するほどだった。
同行してくれた脳波測定器メーカー(フューテックエレクトロニクス社)の若菜さんと、この貴重な測定データに喜び合った。
脳波測定関連の収録部分は、予定通り午後2時過ぎには無事終了した。
オンエアは12月の予定だが、日にちはまだ流動的とのこと。確定の連絡を頂いたら、オンエアの2日前にセルシネニュースでお知らせする予定だ。
局内のラウンジには、テレ朝で放送されている番組のポスターと視聴率が壁一面に貼り出されていた。
局を出て薄暗い路地に入ると、バックにそびえる六本木ヒルズのテレ朝と森タワーとのコントラストが見事な視界を作っていた。
成功がそびえ立つ風景は華やかだが、何にでもそれが実現する前には“潜伏期”がある。この潜伏期間にも揺るぎない「信念」と「行動」を続けてきたものだけが、盤石な基礎の上に成功することができるのだ。
成功者を見習うときにも、華やかな面だけでなく、潜伏期のあり方をもモデリングできていなければ、その効果は薄くて脆(もろ)い。
そして、同じやるなら楽しくやった方がいい。
オンエア後に改めて触れることができるかも知れないが、楽しいご縁に感謝しつつ今日はこの辺で・・・
セルシネ・エイム研究所 和田知浩
vol.222 『シンボリックアカデミー主宰のはるひなた氏。』 2011.10.14
今月はシンボリックアカデミー関連の2つのイベントに参加した。一つはシンボリックセラピーのセラピストコース、もう一つは出版記念パーティーである。
シンボリックセラピストコースは何日にも渡って開催されている講座で、今回は2時間半+30分の時間を頂き「意識と脳波、そしてセラピストに役立つこと」のタイトルでスペシャルレクチャーをした。
今回レクチャーした内容の元は15年ほど前に作ったもので、これはSSI社から当時ビデオ「成功する自己操縦法」として発売した。現在このビデオの販売は終了しているが、このビデオからピックアップした書籍がきこ書房から現在も複数出版されている。
このセミナーをする度に講師マニュアルをブラッシュアップし、非常に高い完成度に仕上がっていた。しかし・・・、飽きてきた。たぶん、歌手が昔大ヒットした曲を一時期歌いたくなくなる心境に似ているのではないかと思う。
それに、これは少し自慢になるが、このセミナーの受講生達が各々の領域でこの内容を発信し続けてくれている。だから、知れ渡ったノウハウを今更私がレクチャーする必要もない。実際、当時と同じ質問を(例題を提示)するとその正解率が飛躍的に高くなっている。
今回シンボリックアカデミーからご用命頂いた際、このことを考えた。心を扱う人には基本中の基本だから伝えたい。でも私自身が飽きているし、受講生の多くもたぶんよく知っているだろうと。
そこで、私がやったことはレクチャー内容の練り直しである。単なるブラッシュアップではなく、一からの見直しだ。
そして9日の開催日を迎えた。
与えられたレクチャー時間は僅か2時間半だったので、受講生とのアイスブレーク作業はカットしていきなり本題に入った。休憩タイムも無しだ。(受講生の皆さんすいません・・・)
レクチャーを展開しながら「成功」と「失敗」をひしひしと感じた。
成功した部分は、セラピストを養成する視点でネタを入れておいたこと。これからクライアントと接する中できっと役立ててもらえると思う。
また、ここ数年展開しているファインブレイン研究会の成果である精神鍛練の達人の具体的な脳波測定データを紹介できたこと、そして、テレビに出演して様々なシチュエーションで脳波を測定したシーンの放映も良かったと思う。
失敗した部分は、理論を分かりやすく理解してもらうための事例をカットしたことによる納得感の希薄さだ。受講生の“目から鱗が落ちる”はずが手応え無く、空振りだったポイントが幾つかあった。
助かったのは、受講生がちゃんとそこを質問してくれ、何点かは後で補うことができた。ただそのために、結局30分もセミナー時間をオーバーしてしまった。
5分単位で進行表を作る(ワークによっては当然秒単位のものもある)私には考えられない時間オーバーだった。
「そんなにきっちり分単位で進められないよ」と思う人もいるかも知れないが、緻密な計算と経験でそれは可能なのだ。しっかりと納得してもらえるようにレクチャー内容を準備していれば、むしろ毎回時間が長短することの方があり得ない。
このセミナー風景を撮影したビデオを弊社ウェブサイト「セミナー・講演」紹介ページに、受講生からもらったアンケートもあわせて掲載した。
今回のセミナーでのレクチャー体験は、私に色々な気づきをもたらせてくれた。
「おもしろい!」・・・この一言に尽きる。
今後のセミナー展開が益々楽しみになってきた。
このセミナーの3日後には、シンボリックアカデミー主宰者はるひなたさんの出版記念パーティーが渋谷のアンジェパティオで開かれた。
本のタイトルは、「シンボリックリーディング−あなたの記憶の図書館に行く方法−」である。
潜在意識には膨大な情報が蓄えられているから、問題解決や創造性を実現する上で使わない手はない。
とはいうものの、具体的な活用方法が分からないという人も多いだろう。そういった人達が迷うことなく潜在意識から情報を汲み上げるために、シンボリック(象徴的)な情報を手がかりとした方法を教授してくれている。
ひなたさんは20年ほど前にSSI社で一緒に働いていた仲間で、2000年に私が独立してからも、独立の先輩として色々なアドバイスをくれている。
2001年に書き始めたメルマガ「『成功する人』と『失敗する人』の決定的な違い」が数日で1800名の読者を獲得して、まぐまぐの新作マガジンランキングで総合2位となったのも、執筆の背中を押してくれたひなたさんのお陰だ。
アカウントを作っただけで放っておいたツイッターとフェイスブックも、ひなたさんが背中を押してくれて、ツイッターのフォロワーは25000名を超えた。フェイスブックはまだよちよち活用の段階だが、ツイッターとはひと味違った楽しみを得ている。
これだけではない。独立当初にJMA社(現、日本NLP学院)が運営していた北岡泰典氏のNLP部門の運営責任者となる縁を授かったのも、ひなたさんの「SSIで一緒に働いていた松島君が社長やってるから声かけてみたら・・・」というひと言が切っ掛けだった。
お陰で、NLP創始者の一人であるジョン・グリンダーを初めて日本に招聘するというプロジェクトに関わることができた。
使い切れないほどの能力を私達は持っている。しかし、その殆どは潜在能力として眠ったままだ。この度出版されたひなたさんの著書は、その能力を呼び起こす切っ掛けをあなたに提供してくれるはずである。
このパーティにはユニークな人達が沢山いらっしゃり、また、先日のセミナーを受講してくれた人との再会もあり、とても楽しく刺激的な時間だった。
セルシネ・エイム研究所 和田知浩
vol.221 『ファインブレイン研究会の活動が、また一つの成果を生み出した。』 2011.9.20
ヨーギニー伊藤玲子先生とのコラボが、いよいよ一つの成果物として商品化される。このヨーガビデオは職場や自宅で沢山の人達に利用され、そして、喜んでもらえるはずだ。
ヨーガインストラクターもヨーガビデオもこの世には沢山存在するが、これまでに沢山のヨーガ誘導を受け、そして沢山の脳波測定をさせて頂いてきた中で、私がやっと巡り会えた本物のヨーギニーだ。
玲子先生との出会いは、2010年に開催されたメンタルヘルスケアのセミナー会場だった。80人位の受講者が皆パイプ椅子に座った状態で、玲子先生に誘導されるがままに呼吸をし、そして体を動かすという、僅か20分程の体験だった。
これが素晴らしい体験だったのだ。
セミナーが終わって人と話しをすると、自分の声が胸と腹を心地良く振動させながら、低音で楽に発せられた。喉もコロコロ、コロコロという感じで完全に緩んでいた。気持ちも非常に落ち着いていて、尚且つ静かな自信に溢れているという感覚だった。
玲子先生はヨーガをきちんと習得されているということに留まらず、他者を的確に誘導する能力にも長けていらっしゃるということだ。繰り返すが、僅か20分の誘導でこれ程の状態を作ってくれたのだ。
私は催眠誘導や自律訓練法、あるいはストレッチなどのリラクセーション誘導をクライアントに対して行うことがあるし、逆にそういう誘導を沢山受けてもきた。その上での驚きだ。
だから玲子先生の脳波にどうしようもないくらいに興味を持った。後日、思い切って脳波測定協力のお願いをした。その結果は案の定素晴らしい脳波だった。素晴らしいというのは、精神コントロールの達人級の脳波だったのだ。
その経緯と特異な脳波については、弊社ウェブサイト「脳波研究」で随時紹介してきたとおりだ。
この間、1か月にのべ1500人へのヨーガ誘導を続けられる中、二度に渡る渡印(インド)修行、その合間を縫って脳波再現性の確認とサポーティング・バイオフィードバック法の可能性を探ってきた。
そして昨日、新宿のスタジオでのビデオ収録となった。
ビデオに収録される順番とは異なるが、撮影は次のような順で進んでいった。
まず、玲子先生から、ヨーガ実践方法のポイントを解説。
続いて、伊藤社長から、このビデオを制作する趣旨とオリジナルヨーガ名称の説明。
そして、私が、このオリジナルヨーガと脳波研究が結びついた経緯を伝えた。
その他、今回はご紹介できないが、生徒さん役として2人の美男美女が協力してくださった。当初予定されていた規模よりも本格的な収録となり、撮影スタッフも10人を超えた。
もちろん、玲子先生の脳波がどれほどのものなのか、ビデオの中でも紹介している。脳波測定器メーカーの若菜さんが、高性能簡易脳波測定器「BrainPro」専用のバッテリーを持って駆けつけてくれた。このバッテリは出来立てほやほやで、発売直前のものだ。これで、「BrainPro」がAC電源から解放され、何処へでも持ち運べるようになった。嬉しい!
玲子先生曰わく、「ヨーガを世の中の人々に伝えたいという思いに、こんなに沢山の方々にご協力頂けるなんて、幸せです」
それは、玲子先生が本物だからこそ、みんなが引き寄せられてくるのだ。
このオリジナルヨーガは素晴らしいメソッドである。玲子先生の脳波は、“充分なリラックス状態で、尚且つ強い集中力”を発揮していることを示している。だから、日々のハードワークも無理なく意欲的に取り組めるのだ。
これからこのヨーガを学ばれる人々も、繰り返し練習することによって、玲子先生のような脳波になるコツを掴むことができるだろう。そうすると、今よりももっとはつらつとした、そして充実した実り多い人生の扉が開けるのではないかと思う。
脳波の見地からも、私はこのオリジナルヨーガを確信を持ってお勧めし、私自身も隔日に行っている基礎練に組み込んで実践中である。
編集作業が鋭意進められ、10月の中旬には発売される見通しだ。
乞うご期待!
セルシネ・エイム研究所 和田知浩
vol.220 『光を観じ、光に導かれたヨーギニー、伊藤玲子先生。』 2011.8.18
先週の金曜日、ヨーギニー伊藤玲子先生の脳波を測定させて頂いた。初めて測定させて頂いてからちょうど一年が経過した日だ。その間、玲子先生ご自身の脳波追跡測定はもちろんのこと、玲子先生が担当されている幾つものヨーガクラスの生徒さん達の脳波測定も行ってきた。
その脳波測定だが、今回大変興味深い測定結果が得られたので報告したいと思う。
一年前の測定結果は、弊社が主宰する「ファインブレイン研究会」の脳波研究ページにリサーチピックアップNO.3として掲載している。
このブログでも紹介してきた通り、玲子先生のチャンネル脳波はファストアルファ波の12.5Hzとの仮説を立てた。驚異的なボルテージが12.5Hzを中心とする極狭い周波数帯域で観察でき、精神的テンションを下げるという左鼻孔呼吸法をするとそのボルテージが下がったからだ。
よって、玲子先生の特異な精神状態の出現はファストアルファ波をチャンネルとしていると思われた。
しかし、「玲子先生のチャンネル脳波はファストアルファ波」という仮説が間違っていたことが今回の測定で判明した。その脳波グラフと解説を同ページに「追跡測定2」として掲載したのでご覧頂きたい。
縦の赤いラインがミッドアルファ波の中心周波数である10.0Hzである。これを対称軸としたかのように、今回の測定では8.0Hzを中心としたスローアルファ波が非常に強く出現したのだ。
この時の瞑想法は、「追跡測定2」の解説で述べた通りだが、要約すると次の通りだ。宇宙との一体化をイメージしてデザインされたペンダントを淡視(弊社では、「凝視」と言わずに「淡視」と呼んでいる)し、その後目を閉じて残像を見つめ、そして光を観じていく瞑想法だ。これを「残像、光観瞑想法」と呼ぶこととする。
その時の脳波を、ここでは「分布グラフ」でご覧頂こう。
スタートから45秒ぐらいまでが、ペンダントを淡視している時だ。目を開けているのでアルファブロッキングになっているが、同じくベータ波も沈静化しているのは注目に値する。
45秒ぐらいで目を閉じると9Hzのミッドアルファ波が出現している。そして、1分5秒ぐらいで優勢脳波の周波数が少し下がって8.0〜8.5Hzとなり、1分50秒辺りから非常に強いボルテージが出現し始めた。この時に玲子先生は強い光を観じている。
「淡視→閉眼→残像→光観」のステップが脳波にハッキリと表れている。
「“光”を観る」というと、急に胡散臭さを感じてしまう人もいるが、そんなに荒唐無稽なことを言っているのではない。要は、脳の視覚細胞が異常発火しているということだ。
マンガでよく、頭をぶつけたシーン等でキラキラとした星が描かれるが、これは、視覚細胞が死滅するときの発火が原因だ。即ち、強いインパルスが視覚の一部を真っ白にするのだ。
子供の頃はどんなに強く頭をぶつけても星が出ることはなかったが、47歳となった最近の私は、ちょっとしたことでもよく星を見る。寿命の尽きかけた脳細胞が、ちょっとした刺激によってもろくも死んでしまう時に数秒間光るのだ。蝋燭の炎や星が消える前に輝きを増すのと同じような理屈だろう。
閉じた視界に光が見えるということが、そんなに突拍子もないことではないことをご理解頂きたい。
その上でだ、瞑想中に光を観じる達人達の脳では何が起こっているのだろうか? 何に反応して、視覚細胞が強烈なインパルスを発しているのだろうか? 宇宙との一体化を目的とした瞑想が、宇宙の何かと脳の何処かを共鳴させているのだろうか?
玲子先生によると、「上の方に微かな光を感じ始めるので、その光をもっと感じるようにしている」とのこと。
鬱になると、視界はモノトーンのようになると言われる。脳細胞自体が無気力になっているのだ。逆に、聡明ではつらつとした人の視界は、本当に色鮮やかに輝いているのだ。
この結果を踏まえて、今回は逆にファストアルファ波を出すことをリクエストしてみた。しかし、ファストアルファ波が出現することは無く、スローアルファ波のボルテージが変化するだけだった。初めての測定と全く同じことが、10.0Hzを対称軸としたスローアルファ波で起こるのみだった。
玲子先生によると、「初めての脳波測定では、やはり少し緊張して頭の中でグルグルと色々なことを考えていた」とのこと。だから、“適度な緊張集中”を表すファストアルファ波の帯域で特異脳波が出現したのかもしれない。
しかしこれがヨーガの達人たるゆえんでもある。凡人がこのような状況になったらベータ波が強く出るか、さらにパニック状態になったらガンマ波となる。それが、玲子先生の場合はアルファゾーンに留まっている。これが、精神鍛練をした人の為せる業なのである。
各脳波の特徴は、弊社脳波関連ポータルサイト「NOWHADAS」の「脳波の種類」コーナーに掲載している。
リラックスして集中できる環境なら、強さに違いはあれ誰でもアルファ波が出る。しかし、緊張やパニックを誘発する環境に置かれたら、凡人の脳波は周波数を高めてベータ波かガンマ波になる。しかし、達人はファストアルファ波で対処する。ここに凡人と達人の決定的な差が生まれる。
ヨーガ行者は、一大事にもアルファ波で対処できるように日頃から鍛練している。弛緩と緊張のポーズを繰り返しながら、いずれでもアルファ波帯域内で脳波が推移するように神経反射を形成するのだ。即ち、「心身の深いリラクセーションのスローアルファ波」と「適度に緊張した意識集中のファストアルファ波」の反射形成である。
今回の測定後、玲子先生から次のような嬉しい言葉を頂いた。
「脳波をフィードバックしてもらったことで、何にどういう風に集中すれば良いのかが分かりました」と。
即ち、色々な精神状態の中で、いわゆるアルファ波というものを増やすにはどれを選択すれば良いのかが分かったとおっしゃったのだ。
普通の人がイチから脳波のフィードバックトレーニングをしてもこうはいかない。試行錯誤の連続だ。しかし、十分に精神修養を積んできた人であれば、「ああ、こっちね・・・」という具合に、マスターが早いのだ。当然のことである。
今回の「追跡測定2」では、「もしかしたら、そうかもしれない」という段階を越えて、「こうしたら、こうなる」という確信を得ることが出来た。
なお、今回紹介した脳波の分布グラフにおいてシータ波の帯域にも強いボルテージが出ていることに注目される人もいると思うが、現在のところ、これは筋電(EMG)によるノイズの混入が原因であると暫定的に判断している。理由は二つあり、一つは、光を観じているときに玲子先生の目がキョロキョロと眩しそうに動くこと。もう一つは、出現しているシータ波の帯域が広く、脳波が一点で共鳴しているようには見えないことである。
これで、9月に予定しているアイアンドオン社のヨーガビデオ教材の制作に弾みがついた。
これは、アイアンドオン社の伊藤宏之社長と玲子先生のライティングテストの様子である。
本番では、プロのクルーに発注される予定だ。
あるイベントでパイプ椅子に座った状態で20分ほど玲子先生のヨーガ誘導を受けた際、その確かな誘導と私自身の体感に驚いてから一年、いよいよビデオ制作プロジェクトのスタートである。乞うご期待!
セルシネ・エイム研究所 和田知浩
vol.219 『SeSMaT No16 「一日16分節自己統制法」のサポートシート。』 2011.7.24
自分を作り、人生を作るための自己統制には様々な方法があるが、その中でも取り分け重要な分野の一つが「時間管理」である。時間軸を俯瞰して、リズムに諸々を合致させることはとても有意義なのだ。
社会のリズムや大自然のリズム、宇宙のリズム、お客様のリズム、恋人のリズム、家族のリズム、チームのリズム・・・。リズムが合ってくると親近感や居心地の良さも高まり、ひいては能力発揮にもつながる。
時間管理をする際には、一生の半サイクル「幼少青壮実老」という長いスパンから、季節「春夏秋冬」の巡りに伴った年間サイクル、週間サイクル、日間サイクル、呼吸や心拍、脳波のサイクルと、様々なリズムに留意してみる。
概ね一日の周期をサーカディアン・リズム、一日よりも速い周期をウルトラディアン・リズム、一日よりも遅い周期をインフラディアン・リズムと呼ぶが、本稿では、ウルトラディアン・リズムの一つである90分サイクルの生理に注目して、時間管理する方法を解説する。
睡眠時の生理変化に90分サイクルのリズムがあることはよく知られているが、日中の活動時にもそのリズムで自律神経は働いている。これが例えば自身の気分にも影響を与えているのだが、ややもすると見過ごされがちである。そこに、90分サイクルで時間管理するという視点を導入することにより、効果的な自己統制能力が養成されるのだ。
弊社トータルセッションで成果を上げているこのメソッドだが、ツイッターなどでつぶやいても反響が大きいテーマの一つになっている。しかし、それらの反響の殆どは、「面白そう」という観念的な好奇心に留まっているような印象である。
90分サイクルで時間管理するという方法は非常にシンプルだが、自身のリズムをつぶさに観察する習慣が、大きな自己統制能力を開花させるのだ。それを観念的な好奇心で留めているというのではもったいない。
そこで、コルパーに成る自己管理技術SeSMaT(セスマット)No16の「一日16分節(90分サイクル)スケジュール管理表」を提供することにした。このシートで90分サイクルの時間管理を実践してみて欲しい。
印刷用シート(PDFファイル)
まずはシート全体を眺めてみる。左上の0時から右へ時間が流れて右端が6時である。二段目は6時から12時。三段目は12時から18時。そして四段目が18時から24時である。
一日は24時間であるから、90分(1時間半)が16分節(セグメント)ある。この1セグに、取り組みの「起承転結」あるいは「緩急」、「集中と弛緩」のリズムを組み入れることになる。一目盛は10分である。
左上の曜日列は、該当する曜日を○で囲む。あるいは、例えば「第3火曜日」用のスケジュールならば、( )内にそれを記入する。
時間割は、実行時間帯を矢印で示し、取り組み(プロジェクト)名をカテゴリー毎に色分けするなどして視認性を高めると良い。スケジュールの記入方法は自由だが、以下に、いくつかのヒントを紹介しよう。
睡眠時間は、3〜6セグのいずれかに1セグ単位で設定する。睡眠に掛ける時間は、日中の活動量によっても個人差が大きい。短いほど良いということはないので無理はしないこ。標準は5セグだ。
睡眠中の脳は90分サイクルを刻みながら大切な働きをしている。例えば、過去(経験)を整理したり、未来の行動計画の調整だ。その中でも特に脳(潜在意識)に実行して欲しいテーマ(あなたの目標など)を明確に記入する。
「人生は睡眠で作られる」と言っても過言ではないのだ。
夢を見ながら自然に目覚めたら90分サイクルのグッドタイミング、あるいはもっと生理周期に合致して目覚めた証拠となる。目覚まし時計は使わない方が良いが、念のためにセットするのであれば、90分サイクルから10分ほど遅れた時間とする。
入眠するときの数分間と目覚めたときの数分間を「脳のゴールデンタイム」と呼ぶ。このわずかな時間は、イメージトレーニングをするのに大変有効である。
入眠するときのイメージトレーニングでは、記入したテーマを改めて思い描く。目覚めたときのイメージトレーニングでは、その日に実行することをリハーサル(予行練習)する。
90分サイクルで目覚めると、頭はとてもスッキリしている。まさに「明鏡止水」である。特に、起床から1時間程度を「脳のフレッシュタイム」と呼ぶ。この時間帯をクリエイティブ(創造的、独創的)な活動に充てるのだ。起床した直後の1セグを有効に生かして欲しい。
起床したらそのままワークスペースに移動して取り組む。1時間程したら(もっと早く便意があればその時に)排便して、朝食の準備をする。このリズムが最高に良い。創造して、排便して、そして朝食を、である。
脳のゴールデンタイムとフレッシュタイムを逸して、いきなり脳波をベータ波にして日常の喧噪に突入するのではもったいなさ過ぎる。
今回は睡眠を中心にスケジュールの立て方と実践方法を解説したが、日中の行動も見つめ直しながら記入して欲しい。16分節毎の90分サイクルという視点を導入することで、新たな発見や気づきをもたらすだろう。
もちろん、16分節毎の90分サイクルに縛られる必要はない。私達の脳は、素晴らしい柔軟性と適応力、そして揺らぎ持っているからだ。そのときに、予定よりも長く取り組み続けたいならばそうすれば良いし、長く休憩を取りたいと感じたらそうすれば良い。大切なのは、1セグの単位で自身のリズムを把握することなのである。
昼寝を導入する場合は、1セグを充てる必要はない。昼寝の脳波は、夜に寝たときのような睡眠ステージの変化をたどらずに浅いから、20分程度で十分にリフレッシュするはずだ。
以上のことを心掛けて、一日16分節自己統制法を実践してみて欲しい。
気分の高め方や鎮め方、リズムのリセット方法などについては、トータルセッションでサポートしている。
セルシネ・エイム研究所 和田知浩
vol.218 『スポーツストレッチングの癒し効果を脳波測定で実証。』 2011.5.2
「こういうのやりたかったんだよ・・・」
4月29日の仕事を終えた時に心の中でつぶやいた。
そのちょうど10日前に頂いたご相談からこのプロジェクトはスタートした。
電話を下さったのは、野球やテニス、ゴルフ、サッカーなど様々なスポーツの教材を開発する「Real Style」という会社だ。
「ストレッチのビデオを制作するので、撮影するスタジオで脳波を測って欲しい。脳波測定器はどのタイプが適していますか?」と。弊社ウェブサイトの脳波測定器レンタル紹介ページをご覧頂いての相談である。
すなわち、ストレッチをする前と後の脳波を測って、ストレッチでリラックスできることを科学的に証明したいとのことだった。
「言うは易く行うは難し」である。
こういうのはなかなか思うような結果が出ないのが普通だ(と“覚悟”している)。
アロマでも瞑想誘導でもリラクセーショングッズでも、リラックス傾向に傾いた状態を“脳波測定という体験”が吹っ飛ばしてしまうのだ。ましてや撮影現場となると・・・。
脳波は繊細かつ正直なのである。
撮影は四ッ谷のスタジオで行われた。脳波測定器のオペレーターとして出向いたのだが、打ち合わせ中にディレクターから「ビデオに出演して脳波の解説をして欲しい」と依頼された。ちろん歓迎である。
まずビフォーの脳波としてトレーナーと体験者の計4名の脳波を測った。
トレーナーは「兼子ただし」という非常にユニークなキャラクターの持ち主だった。新日本キックボクシング−フェザー級4位の現役で、ストレッチ専門店を七カ所で営業するSSSグループジャパンの代表取締役でもある。
兼子ただし氏のブログ
株式会社SSSグループジャパンのHP
ストレッチが終わった後、アフターの脳波を測ってみると全員に肯定的な結果が出た。ベータ波が減りアルファ波が増えている。ビフォーでベータ波とシータ波が出ていた人は、ちゃんとその両方が減ってその分アルファが増えていた。
すなわち、ストレッチが被験者の緊張感を緩め、かつ眠気もスッキリ解消させる効果のあることがハッキリと確認できた。
特に兼子ただし氏ご自身の変化が一番大きかった。ベータ波は26.6ポイント減り、逆にミッドアルファ波は36.6ポイントも増えた。これは“メリハリの天才”とも言えるほどの変化だ。
身体には、沢山のセンサーが配置されています。このセンサーと脳は、感覚性神経線維(医学では「線維」と書きますが、「繊維」と同じ意味です)で結ばれており、数百万本にも及びます。センサーで受け取った情報は、感覚性神経線維を秒速約100メートルのインパルスで脳に伝わっています。想像してみてください、脳の情報処理は大変なもんです。
こんな状況から解放されるためには、身体の緊張を解(ホグ)してやることが効果的です。リラクゼーション誘導が順調に進むと、身体に重感が出てきます。これは、無意識が司っていた抗重力筋が緩むことにより、重力を意識が感じるからです。そして、もっとリラクゼーションが深まると、今度は逆に、身体が軽ーくなってきます。このとき、脳は身体から解放されるのです。このレベルを、「コアセルフが身体を脱いだ」と表現します。感覚性神経線維を伝わるインパルスもめっきり減りますから、脳が身体から解放されたことが科学的にも確認できます。
この文章は、弊社eラーニング「コルパーに成る」で私が解説したものである。
この効果をストレッチという手法で実現しているのが兼子氏というわけだ。そのことが脳波測定で確かめられた。
繰り返すが、「言うは易く行うは難し」である。
本物に出会うと私の好奇心がメラメラと燃えてくる。
私が進めている「サポーティング・バイオフィードバック法」の構築に、頼りになるメソッドだ。
全てが終わった後、スタッフにお願いして写真を撮ってもらった。
今回撮影したDVDは初夏の発売を予定しているそうだ。YouTubeを利用した弊社「映像配信局」で紹介することもOKを頂いたので、完成したらダイジェストをアップしたいと思っている。
被災地で苦労されている人達にもきっと喜んでもらえると思う。効果の確かさは脳波結果が証明している。
今回ご用命下さった株式会社Real Styleと兼子ただし氏。今後色んな展開ができそうだ。
こういうのやりたかったんだよ・・・
セルシネ・エイム研究所 和田知浩
vol.217 『4月1日、セルシネの“シリーン”ポータルサイトを正式オープン。』 2011.4.4
精神的な不安や苛々感、気分の落ち込みなどの症状を抱えている人は多い。
環境的な状況は同じでも、本人の受け止め方や在り方によって頭の中は全然違ってくる。
3月11日に起こった東日本大震災は、3週間を過ぎた今もなお予断を許さない状況が続いている。この瞬間にも、ギリギリの所まで心身が追い詰められている人々がいる。
弊社では「トータルセッション」と「プロダクツ」で、心の健全化をサポートしているが、今日は、無料でご利用いただけるウェブ上のサービスを紹介したいと思う。
まず一つ目は「晴れる質問」である。3年前に開設したページだが、心の棚卸しをして、心を晴れやかにする効果がある。ゆっくりと時間をとって書き出してみて欲しい。
そしてもう一つは、「シリーン」だ。これは何も考える必要がない。否、何も考えない方がいい。映像を提供する「シリーンビュー」と音響を提供する「シリーンサウンド」がある。いずれは、効果的な映像と音響を合わせた「シリーンミックス」も揃えたいと思っている。
シリーンビューの「BGV−富士山と風にそよぐ樹木」は、東京から観た富士山である。手前の樹木は風にゆらぎ、その上をそして遙か遠くの空を飛翔する鳥がいる。
都会で感じることができる大自然の営みが、あなたの心を自然と癒していくだろう。
シリーンサウンドの「BFS−般若心経−読誦:セルシネ・エイム研究所 代表 和田知浩」は、被災されている人々に私自身の肉声を届けたくて作成した。
般若心経の276文字には森羅万象の真理が収められている。また、読誦したときの音そのものにも、自身を宇宙と一体化させる働きがある。あなたの心を澄ませ、再び浩然の気があなたに養成されることを願っている。
“シリーン”シリーズのコンテンツを今後充実させていきたいと思っている。
セルシネ・エイム研究所 和田知浩
vol.216 『心理学者・富田隆氏ご来訪・・・まるでサンタクロースのようだった。』 2011.2.28
先週の水曜日、ちょっと季節外れの、そしてちょっと若いサンタクロースが現れた。
セルシネの電話が鳴ったのは朝9時を数分回った頃だった。「駒沢女子大学の富田と申しますが、今日お邪魔して脳波測定器を見せてもらうことはできますか?」と。
16時半からの面会を約束して電話を切った後、さっそくネット検索してみた。
「やっぱりそうか・・・」。掲載してあるご本人の写真と電話口の柔らかな物言いがピタリと合致した。
テレビでもお馴染みの心理学者・・・、あの富田隆氏である。
挨拶もそこそこに脳波測定器「FM-717」をさっそくご体験頂いた。
当然、富田先生は臨床用脳波計も含めて様々な脳波測定器を活用されてきているので、3分間の測定を1回行っただけで「FM-717」の反応が適当であることを認めて下さった。
その後、脳波解析PCソフト「パルラックス2」(「FM-717」のオプション)の操作を簡単に説明したところで、本システムの購入を決めて下さった。否、その日に現金でお支払い頂いたので、実は購入をほぼ決めてご来訪下さっていたようだ。
ただし、その気前の良さとこのお顔を以て冒頭に“サンタクロースが現れた”と言ったのではない。
私が「いつの日か・・・」と昨年から淡く祈念していたことが、今回の富田先生とのご縁で実現する可能性が出てきたことがその理由だ。
一つは、禅僧の脳波を測定すること。
ファインブレイン研究会の活動でヨーガや武道の達人達の脳波を収集してきたが、次の被験者として禅僧を探していた。
禅僧の脳波は脳波測定器の黎明期から沢山研究され、論文も多い。しかし、自身の手で、一流の禅僧の脳波を最新の測定器で追試したかったのだ。
「駒澤は曹洞宗系の大学ですから、これ(FM-717)を見て興味を持たれるお坊さんもいらっしゃるかもしれません・・・」と富田先生がポツリとおっしゃったのに間髪入れずに、「私にも是非測らせて下さい」とお願いした。
道元の只管打坐を実践するまっただ中の人達からどんな脳波が検出されるのか、凄く楽しみである。
もう一つの「実現する可能性」は、“音楽”である。
富田先生は、作曲家の神山純一氏とのコラボでアルファ波/リラクセーション系のCDをリリースされている。今回、脳波測定器「FM-717」をご購入頂いたのも、この一連のプロジェクトで活用するためなのだそうだ。
この話を聞いたとき、頭の隅に置いてあったアイデアを思い出した。
そのアイデアとは、ある法則を利用したメディテーション(瞑想)音楽を制作することである。
このアイデアを初めて人に話したのが昨年の1月である。相手はテンポ116の提唱者である片岡慎介氏だった。片岡氏はそれをさっそく音楽にし、その音のポテンシャルに驚きと興奮を伴わせながら私に報告して下さった。「今年出すアルバムの全曲にこの法則を加えますよ」と。
ところがその2週間後に突然逝去されたのだ。
その経緯はこのブログに投稿してきた通りだ。
『音楽家との嬉しい出会い。』 2010.1.17
『底知れない音楽の力・・・ご冥福をお祈り致します。』 2010.2.12
このアイデアを形にできる次のチャンスを待っていたというわけだ。
富田先生は、「それは面白いですねー。だって、この法則は本当に不思議なんですよねー」とおっしゃり、神山純一氏にこのアイデアを話してみると約束して下さった。
「禅僧の脳波測定」と「瞑想音楽の制作」。この二つのプロジェクトを実現する“縁”、そして脳波測定器を購入するために何十万もの“円”を持ってきて下さった富田隆先生のお顔がサンタクロースに見えたのだ。
セルシネ・エイム研究所 和田知浩
vol.215 『オーム瞑想でスローアルファ波を獲得したヨーギニー、伊藤玲子先生。』 2011.1.14
2011年初めてのブログ投稿です。本年も宜しくお願い致します。
昨年8月にヨーガインストラクター伊藤玲子先生の脳波を測定させていただいた。その時の様子は「ヨーガマスター伊藤玲子氏のチャンネル脳波は『ファストアルファ波』?」で紹介した通りだ。
12.5Hzのファストアルファ波が特異的に出現する玲子先生にリクエストしてみた。「このボルテージを保ったまま周波数を下げることはできますか?」と。ヨーガや座禅の修行をするとアルファ波が特異的(普通よりも高いボルテージ)に優勢となるのだが、更に熟達するとその周波数が下がるからだ。
しかし、脳波が12.5Hzにあたかも固定されているかのようで、いくつかの自己統制を試みても、目立った変化はファストアルファ波のボルテージが上下するだけだった。(それも凄いことだが・・・)
無理もない。これまでの玲子先生の自己統制訓練に自身の脳波が関連づけられていないから、脳波の変化をリクエストされても応えようがない。
11月に渡印された際に、今回は脳波の周波数を下げることを意識して修行されたそうだ。それを受けて、昨年12月に脳波を改めて測定する機会をいただいた。
結果はこのグラフの通りである。お見事!
上段のグラフは安静時の脳波だ。平均ボルテージはシータ波が17μVで、その他の脳波は全て20μV台である。それが、オーム瞑想に移ると、スローアルファ波が活性化して平均71μVにまで達した。
オーム瞑想とは、“オームー”と唱えながら宇宙と一体化するイメージを持つ瞑想法で、古来より行われているものである。15,6年前に日本を騒がせた教団とは関係ない。
そういえば、この教団には振り回された記憶がある。
自己啓発教材を販売する会社でユーザーサポート研修を行っていた時期のことだ。教材の習得効率を高めるために、瞑想誘導の音響を組み込んでいたのだが、その誘導音声で「オーム」というキーワードを入れていた。上で述べたように、古来から用いられている技法を応用したものだ。
ところが会員から、「“オーム”と聞くと、ひげ面のあの人物が浮かんできて練習できない」との悩みと不安が沢山寄せられた。「“オーム”と“オウム”は違います」なんて言っても何の解決にもならない。
社長の決断は早かった。すぐに誘導音声を録り直し、大量の在庫は廃棄された。
閑話休題。本題に戻ろう。
玲子先生は見事に自身の脳波をコントロールされている。
以前にもこのブログで述べたことがあるが、自身の脳波を自己統制によってコントロールするのは容易なことではない。
確かに脳波というのは本人の精神状態や生活のリズムで刻々と変化している。優勢脳波も然りである。ところが、この脳波を意識して変化させたり、意図した優勢脳波をこれほどはっきりとスイッチングすることはできないのが普通である。
各脳波の特徴については、セルシネのウェブサイト「NOWHADAS」に掲載している。
ところが玲子先生は、私がキューを出すと同時にスローアルファ波が優勢となった。このようにチャンネル脳波を外見上いとも簡単に切り替えられるのは凄いことなのだ。
この結果には大満足なのだが、測定者としては残念な部分がある。
ファインブレイン研究会で常用している脳波測定器「FM-929」が、設計仕様の弱点と思われることが原因で使えなかったことだ。そのため、別機種の「アルファテック4」で今回の測定を行った。機種にはそれぞれ癖がある上に、前回と今回の脳波測定を同じグラフ形式で比べることができない。
100万分の1という微弱な電圧を正確に計測するためには、測定器の性能にとどまらずオペレーターの技量が影響する。どのような測定環境下でも対応できるように自身のオペレーティング能力を研鑽していきたい。
なお、ここで紹介した脳波測定は弊社ウェブページ「脳波研究」に掲載している。
セルシネ・エイム研究所 和田知浩 |
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