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vol.296 『HTB(北海道テレビ放送)の番組「夜のお楽しみ寝落ちちゃん」〜第2回 全日本寝落ち選手権〜で、脳波測定による入眠判定。』 2017.12.30
今月18日(月)24時15分から、HTB(北海道テレビ放送)の番組「夜のお楽しみ寝落ちちゃん」による「第2回 全日本寝落ち選手権」が生放送で開催された。
10月に札幌ドームで開催された第1回同様に、脳波測定による寝落ち(入眠)判定役を仰せつかった。今回の会場は、真駒内セキスイハイムアイスアリーナ附属体育館だ。
第1回の模様は、本ブログに「HTB(北海道テレビ放送)の新番組「夜のお楽しみ寝落ちちゃん」で開催された『全日本寝落ち選手権 男子個人』in札幌ドームで、タレントさん達の脳波を測定し睡眠判定。」のタイトルで投稿している。
今回もHTBから番組の録画を提供頂いたので、さっそく振り返ってみたい。画像のピックアップは、既に弊社ウェブサイト「テレビ番組協力実績紹介」ページに掲載している。
今回も寝落ちできた選手はいなかったのだが、White Explosionの山田恭平選手があと一歩のまどろみ状態となり目を見張った。すなわち、α波の断続である。競技がスタートして約10分が経ったときだ。
寝落ち判定のポイントは、前回の生放送で解説した。HTBがOA動画をYouTubeに「10.2OA『全日本寝落ち選手権完全版』」(該当の5分29秒から再生されます)のタイトルでアップしてくれている。
山田選手がまどろみ状態に入ったことをディレクターに伝えた。すぐに、中継車で指揮を執っているプロデューサーに伝えられた(たぶん)。回り回ってMCの谷口直樹アナウンサーから「脳波どうですかー?」と振られた。
このように、α波優勢が途切れはじめた。あわせて、β波がほぼ真っ黒に沈静化すること、θ波からδ波が優勢になること等が表れると寝落ちである。
OA画像では色スケールが分かり難いので、実際の測定グラフを紹介しよう。
この脳波分布グラフの縦軸(経過時間)は3分しか無いので、α波優勢の持続が劇的に途切れはじめたとは伝わりにくいだろう。
そこで、経過時間を遡って、画面を切り貼りして作ったのがこの分布グラフである。
長く続いていたα波優勢が断続的となり、20Hz付近のβ波も沈静化したのが分かる。明らかに寝落ち寸前である。が、この後すぐに妨害が発動され、惜しくも寝落ちには至らなかった。
それにしても山田選手のα波には惚れぼれする。素晴らしく“落ち着いた精神集中”、すなわち聡明な脳コンディションである。
競技の途中で、THE BOYS&GIRLSのドラマーのカネコトモヤス選手の脳波が止まった。測定データを保存して改めて測定を開始すると問題なく作動した。
何が原因だろう? 爆音が脳波解析システムに電気的ショックを与えたのか? 配線上の問題で電磁波が悪さをしたのか? 当初は????だったのだが、後で冷静になって考えると疑わしいシーンが思い当たっていた。
生放送が録画されたBlu-ray映像と脳波測定データを同期して再生すると、そのシーンがバッチリ映っていた。アヒルが脳波測定器の「停止ボタン」を踏んだのだ。“寝落ち妨害”ならぬ“測定妨害”だ。リハーサルでこのリスクになぜ思い至らなかったのか・・・、反省した。
番組が始まって31分25秒だから、競技が始まって21分過ぎである。
今回はもう一つの問題も起こった。脳波センサー外れである。カチューシャタイプなので、選手が横向きになると電極が額から浮いてしまうことがあるのだ。
これを防ぐには、万能脳波センサー「エンフレック」を用いるのが有用である。ただし、装着に一人5分ほど掛かるので、第1回のように本番中の選手入場後に装着するのは時間的に無理である。しかし今回は、本番前にセンサーを装着したので、「エンフレック」でも良かったかもしれない。
札幌ドームで開催された第1回に比べると、少々やり残し感があった。しかし、今回のOA動画を繰り返し見ていると、第1回に負けず劣らず楽しいじゃないかと思い始めた。
生放送中に私が最も静かに興奮したのは、上に紹介した山田選手が寝落ち寸前になったときだ。その次は、コロネケンが寝落ち妨害としてコントを披露したときの山本貴之(すずらん)選手の劇的変化である。山本選手は札幌よしもとでコロネケンの先輩にあたるそうだ。
コロネケンが登場してすぐに、山本選手の脳波はβ波が優勢となった。もう寝るどころの話しでは無い。苛々そわそわと思考がグルグル回転している。可愛いが故の気掛かりなのかもしれない。
この劇的変化を、前にいるディレクターに伝えようとした。しかしディレクターはカンペを書いているのか気づかない。大きな声を出してコントの邪魔をしてはいけないと思い、かすれた声とジェスチャーでアピールした。
それに谷口アナと江田由紀浩さん(イレブンナイン)が気づいてくれ、「凄い、凄い・・・」とざわついた。
ほどなくディレクターにも伝えることができ、コロネケンのコントが終わった後に解説した。このように、山本選手だけが強いβ波優勢になっている。山本選手の眉間にしわが寄っていたので多分に筋電ノイズも含まれているが、明らかにβモードだ。
以上の寝落ち妨害の他、第1回同様に素晴らしいヘビメタを演奏したMETAL SCREAM、今回華やかさを加えてくれたセクシーダンス集団Party
Dollsなど見所満載だ。(あれっ、番組広報担当みたいになってる?)
もしかすると、第1回同様に番組HPで観られるようになるかもしれない。
今回も楽しかった、ありがとう。
今、12月30日も終わろうとしている。今年も残すところ1日となった。素敵な行く年来る年をお過ごしください。
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セルシネ・エイム研究所 和田知浩
vol.295 『黒船特派員ジョナサン・シガー氏との動物癒し効果検証の珍ロケ。TOKYO MX「5時に夢中!」からのオファーで実施した脳波測定が強制終了。』 2017.11.4
TOKYO MX(東京メトロポリタンテレビジョン株式会社)の番組「5時に夢中!」から脳波測定/脳コン解析サービスのオファーを頂いた。
同局からは、4年前に番組「リスアニ!TV」で寿美菜子さん(歌手・声優)のプリティー・フィーバー度を脳波測定で判定して以来だ。当時の模様は、ブログ「声優/歌手の寿美菜子さんのプリティフィーバー度を脳波で判定。TOKYO MX「リスアニ!TV」からのオファーにて。」に投稿している。
今回は、「動物と触れあうとオキシトシンが出て癒やされる」という夕刊フジの記事を追試したいとのことだった。
脳波で神経伝達物質の分泌量を測ることは出来ないが、癒やされ/オープンマインドとなった脳ではスローα波が強く出るので、それを推し量ることが出来る。
各脳波の特徴を正確に記述しようとするとどうしても長くなるので、テレビ番組にはこのように端的な表現で説明することにしている。
この脳波グラフは、新型脳波測定器「アルファテック7」の専用脳波解析PCソフト「マインドセンサー7」のものだ。
発売早々の7月に仕入れたのだが、四ヶ月経った今も測定精度が安定しないために、弊社サービスのラインナップには加えられないでいる。この間に「マインドセンサー7」とセンサーベルトの改良がメーカーによって施されたのだが、それでもまだ納得できない。
しかし、この新型脳波測定器がやっていること、やろうとしていることは凄い。不具合を手なずける方法に目星が付いてきたので、今回のロケで使うことにした。テレビ初お披露目である。
台風22号の強風がまだ残る10月30日(月)、千葉県の東京動物専門学校でロケは行われた。
被験者は、黒船特派員ジョナサン・シガー氏だ。この後、ジョナサン氏の体を張ったロケが展開される。“癒し”がテーマなのに・・・
まず、ジョナサン氏の通常の脳波を測定した。ツイッターでもつぶやいたが、こんなに近くで、こんなに綺麗で透き通った青い目を見たのは初めてだった。
そして、順番に各動物で脳波測定をしていった。犬ではさすがに素晴らしい癒し効果が出た。
犬といい勝負になるだろうと予想していた猫では、測定結果が奮わなかった。ジョナサン氏が白状した。「僕、猫アレルギーなんですよ」と。
続いては兎。何故だかまた癒やし数値が上がらない。するとジョナサン氏からまた衝撃の言葉が発せられた。
過去の辛い体験は、当然“癒し効果”にもマイナスの影響を与える。普段は兎に接することも滅多にないだろうから、トラウマがそのまま残っており脳波に反映したのだ。もちろん、兎との適切な触れあいを繰り返すことで、この種のトラウマは解消していくことも出来る。この方法を暴露療法という。
それにしても、“癒し効果”の高得点が期待された猫と兎に対して、ジョナサン氏にこんなマイナス要因が隠されていたとは・・・。唖然とした反面、その反応を脳波測定で捕らえることが出来たことに嬉しさを感じた。
ペリカンは、くちばしをこっちに向けられると“先端恐怖症”のような感覚で怖かった。くちばしから喉に掛けての薄い膜は、ジョナサン氏曰く、「お餅のように柔らかく伸びて気持ちいい」のだそうだ。
アザラシは・・・、やはり怖そうだ。カメラの前だからこそノルアドレナリンが出て何とかやり遂げた。
そして、結果的に最後の検証となったアルパカ。基本的には温厚な動物だが、嫌なことをされると唾を吐きかけるのだそうだ。
その通り、唾吐きの連発をくらい、私は思わず悲鳴を上げながら檻の外に駆け出た。その私を追いかけてアルパカも檻の外へ。
それを見ていた向かい側の檻の中で子馬が私を見て笑っていた。フレーメンかもしれないが、「やーい」と笑われているように私には感じられた。アイコンタクトして、その子馬と一頻り会話を交わした。可愛かったー。
ジョナサン氏もアルパカと心を通わせた。
そのとき事件は起きた。
敢えなく脳波測定による“癒し効果”検証は終了となった。
アルファテック7のミニUSBコネクタに負担を掛けすぎた。緩衝仕掛けを施すべきだった。私の失態である。
この後も様々な動物たちが予定されていたのだが、ここで強制終了となってしまった。
今回は、単純にスローα波の平均電位だけで“癒やされ効果”の順位づけをした。アルパカは、ジョナサン氏の体感値である。
この日のコメンテーター二人はとても個性的で、私と同じ1964年生まれだった。'64年組、いいね!
感謝。
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vol.294 『謂われや時代背景を知ることで、“怖い絵”がさらに怖くなるのか? フジテレビ「とくダネ!」からのオファーで脳波測定して分かったこと。』 2017.10.27
驚いた! 本当に驚いた。そして、嬉しかった。これ程のβ波の出方は、テレビ番組ロケでは7年前の格闘家・武蔵さんの脳波測定で見て以来のことだった。
武蔵さんの脳波については、当時、本ブログに投稿した「フジテレビ『激★王』の脳波測定で武蔵さんが教えてくれたこと。」 で紹介している。気力と体力がみなぎっているからこその為せるわざであった。そして、その危惧についても述べた。
さて、今回は・・・
今月10日、フジテレビ「とくダネ!」から電話が入った。
上野の森美術館で展示されている「怖い絵」について、何の前知識も無く鑑賞した場合と、謂われや時代背景の解説を聞いた上で鑑賞した場合とでは、後者の方が怖さが増すとの説があり、その真偽を脳波測定で確かめることは可能か? との相談だった。
怖さなどの情動処理は、脳の奥深くにある扁桃体が担っているとされる。ダイポールセンサーでその脳波を探ることは可能かもしれないが、そのシステムを構築する術が私には無い。
ただ、情動が一定以上の強さなら、それを司る前頭前野にも当然反応が現れる。この脳波を捉えることで、心的動揺度を測ることは可能である。そのように回答した。
とは言ったものの、説を肯定する結果となる確信は持てなかった。それは、「怖い絵」なるものがどんなものなのか、そして、どんな解説がされるのかの情報を持ち合わせていなかったからだ。
もしかすると、解説の無い方が想像をかき立てて“怖さ倍増”となるのではないか、或いは逆に、解説を聞くとパレイドリアが発現して“怖さ倍増”となるかも、などと見当違いだった可能性に思いを巡らしていた。
ロケは15日(日)にブッキングされた。
このイベントは盛況で、入場まで50分待ちなど連日長蛇の列だそうだ。よって、撮影は閉館後に行われた。
被験者には予備知識無しで“怖い絵”を鑑賞してもらい、その後、その絵の解説を聞いてもらってから改めて同じ絵を鑑賞してもらう。
解説の声は吉田羊さんだ。現場では聞けなかったが、OAで聞くととてもいい感じである。
私は、荘口プレゼンターと共に隣室で脳波を観察した。
そして、一組目の被験者からいきなり驚きの結果が出た。
駄目だ。偏った期待があったり、平静を保てない観察者は科学者として失格である・・・。
ここまでの違いが出るとは予想だにしていなかった。解説を聞いた後の赤が優勢率100%になったのだ。
OAでは紹介されなかったが、折れ線グラフはこのようになっていた。1分間測定した中の37秒時点のグラフである。折れ線グラフは、18秒から37秒までの20秒間を表示している。このように、ピンクが飛び抜けて高く推移した。(解析ソフトのデフォルトでは色が淡いので、クッキリした色に調整し、脳波も2種類に絞った上図タイプも番組に提供した)
解説を聞いたか聞かないかで、脳波がここまで変化したのには本当に驚いた。もちろん、脳波を測定しているときは無音にした。
脳波を観察しているときに、荘口さんが横でおっしゃった。「人生経験を積んだ人の方が、より反応するのかもしれませんね」。確かにそのようだと私も感じた。
結局、説を肯定する反応を示した被験者は、8名中5名だった。
脳波測定結果から「心の動揺度」を算出してグラフにするとこうなった。既述の通り、5名の動揺度が増している。
被験者2は、解説を聞いた後の鑑賞でどこまで心的動揺度が増したのか? それを示すために縦軸を縮小したのがこのグラフだ。
実験手順のリハーサルが十分でなかったため、二組目までの被験者4名は少々測定データが荒れた。その辺りを改善して再検証すると、もしかすると全員が肯定的結果になるかもしれないとまで思わせた。
また、解説を聞くことで被験者2にこれ程の心的動揺があった理由を探ることで、この「怖い絵」展の“怖い効果”をさらにブラッシュアップすることが出来るかもしれないとも思った。この被験者は、「・・・(解説を聞いたことで)感情移入して、悲しくなっちゃった・・・」と、うっすら涙を浮かべながらインタビューに答えていた。
実験で使われた絵のタイトルは、「レディ・ジェーン・グレイの処刑」。
怖い絵展の監修者は中野京子氏である。
今回も、貴重な脳波データを得ることが出来た。
感謝。
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vol.293 『HTB(北海道テレビ放送)の新番組「夜のお楽しみ寝落ちちゃん」で開催された『全日本寝落ち選手権 男子個人』in札幌ドームで、タレントさん達の脳波を測定し睡眠判定。』 2017.10.11
今月2日深夜24時15分から、HTB(北海道テレビ放送)の新番組「夜のお楽しみ寝落ちちゃん」による『全日本寝落ち選手権 男子個人』が生放送&同時ネット配信で開催された。初回60分拡大で、競う場は「札幌ドーム」だ。
生放送当日の13時07分、札幌駅に到着した。迎えに来てくれたディレクターに「ラーメンを食べてから向かいますか?」と訊かれたが、脳波解析システムのセットアップと動作確認が気になっていたので、まず同局へ行きたいと告げた。
HTBへ向かう車中で、来年同局が移転を予定している建設中のビルを教えてもらった。同局は、「水曜どうでしょう」という番組で大泉洋さんがブレークして全国区になる切っ掛けを作っている。今回お呼び頂いた番組も、既成概念に囚われない番組作りを目指しているのだそうだ。
局に到着するとさっそく脳波解析システムのセットアップと動作確認をした。その後、プロデューサーから台本が渡され、中継進行の説明を受けた。
オープニングで企画説明が5分間あり、次に、入眠判定に使う脳波の見方説明が3分とのこと。この3分間で私が紹介され、私から脳波での判定方法を視聴者に説明するのだ。わりと時間を割いてもらっていて、少し緊張感を覚えた。
札幌ドーム入りの20時まで時間があるので、私はホテルにチェックインして待機した。
今回の寝落ち判定では、脳波の分布グラフを用いる。弊社ウェブサイトの「終夜睡眠脳波の分布グラフ例」ページを番組スタッフには事前に案内していたが、当日の打ち合わせでもプリントアウトしたものを念のため準備していた。プロデューサーから、このプリントを利用して本番でも説明して欲しいとのリクエストを受けた。
ホテルの部屋で一人、このグラフを用いての説明方法を考えた。
脳波の3Hzから30Hzを測定するということを説明。
δ波、θ波、α波、β波の帯域幅を説明。
時間は上から下に流れていくということを説明。
色スケールが示す脳波電位を説明。
そして、寝落ち判定の3つのポイントを説明する。
ポイント1.α波の優勢(αモード)が消えること。
ポイント2.δ波が優勢(δモード)になること。
ポイント3.β波の電位がほぼゼロになること。
以上を要点に説明することとし、練習した。
満を持して札幌ドームに向かった。
関係者出入り口から入り、番組スタッフに案内されてグランドに出た。人工芝の緑が綺麗だ。マウンド付近からスタンドを見回すと軽い目まいを感じた。高校の途中で挫折するまで野球を続け、社会人になってからもたまーに野球をやってきた私だが、塁や守備位置の方向感覚が麻痺するような感じだった。
局から持ち込まれた脳波解析システムがグランドにセッティングされている作業に私も加わり、準備万端整えた。
用意して頂いた弁当で腹ごしらえした後、リハーサルが始まった。
私の番では、ホテルで練習した感じでやってみた。
すると・・・。長いのだそうだ。もう少しシェープしてお願いしますと言われた。番組制作ではよくあることだ。
前説を削り、寝落ち判定のポイントも「α波優勢の途切れ」だけに絞ることにした。
ただ、脳波グラフの見方、そして寝落ちポイントをしっかりと伝えないと、結局視聴者には分かりづらくなる(かといって全部説明していると飽きられるというジレンマだ)。少しの不満と不安を抱いている私を察してか、五十幡裕介リポーター(HTBアナウンサー)が声を掛けてくれた。
「説明の足りない部分はリポートの中で補いましょう」と。(そして、生放送でそれを実際にやってくれた)
その後もリハーサルが続いた。通しリハーサルのはずだがぐだぐだである(と素人には見える)。「まもなく生放送なのに大丈夫?」 傍観者的立場の私も大分心配になってきた。
自分が脳波解説する部分の不安に番組進行全体の心配も加わり、ひさーしぶりの生放送を直前にした私の気分は少々“意気消沈”気味だった。
いよいよ生放送のスタートである。脳波をモニターするPCがずらっと並べられたテーブルの奥下にオンエアモニターがある。そこにふと視線を落とすと・・・、偶然にも矢沢の永ちゃんが何かを言う姿が映っていた。
たぶんゲームのCMだったと思うが、私の意識にはクルマのCMの方が思い出された。
「やっちゃえ・・・」
私の人生は、永ちゃんの歌で作られ、永ちゃんの歌で彩られてきたと言っても過言ではない。
「はい、私やっちゃいます!」
受動的なアファーメーションの喚起である。
(アファーメーションについては、拙著「宣言 アファーメーション・バイブル 〜言霊の生かし方〜」紹介ページで詳しく解説している)
その後の展開は生放送された通りである。
実況の谷口直樹氏(HTBアナウンサー)の「見るだけではなく、皆さんに参加して頂こうという・・・“実験バラエティ”です」の宣言で番組はスタートした。
後日、OA動画を確認してビックリした。
最初の脳波解説のコーナーが、台本通りの3分ピッタリだったのだ。
スタッフが実際に布団に入り、その脳波を観察した。素晴らしいαモード(α波優勢)が続いていた。この緊迫の場面でαモードを保てているのは本当に素晴らしい。本ブログでも度々解説してきたように、α波とは単なるリラックスではなく、“落ち着いた意識集中”である。私が、強いαモードの状態を達人集中と呼ぶ所以である。
プリントした脳波の分布グラフを使っての解説では、前述した通り私は「α波優勢の途切れ」のポイントだけを話した。続けて五十幡アナウンサーがβ波の指標も振ってくれたので、それに答える形で2つ目のポイントも言及できた。
五十幡アナウンサーの一連の相槌と振りが小気味よく、私はとても話しやすかった。横で指示を出していたディレクターも、私達の掛け合いを褒めて下さった。その上、ドンピシャの3分だったのである。これには心底感心した。
撤収が完了し、殺風景となったグランドを記念に撮影していると、「撮りましょうか?」と番組スタッフが声を掛けてくれた。
いつものように、OA画像をテレビ番組協力実績紹介ページに掲載させて頂いたが、今回は局がYouTubeにOA動画を「10.2OA『全日本寝落ち選手権完全版』」 のタイトルで丸々アップされている。OA後の選手インタビュー付だ。
これまたいつも言うことだが、テレビ番組での脳波測定は、研究室では得られない宝が落ちている。他の脳波専門家から見たら「バカバカしい」「無理だ」「ノイズだらけじゃないか」と一笑に付してしまうような現場でも、多くの、そして様々な役割の番組制作スタッフが一致団結して取り組むことで、脳波分野の“未知”も一つひとつ“既知”になってきているのである。
そして、それを次の現場に生かしていく・・・
睡眠脳波を生波形で観察している研究者には、今回用いたスペクトル分布グラフに単純化した判定方法は新鮮だったろう。
楽しかったー、ありがとう。
セルシネ・エイム研究所 和田知浩
vol.292 『流行のおもちゃ「ハンドスピナー」のリラックス&集中力アップの効果を脳波測定で検証。フジテレビ「とくダネ!」からのご用命。』 2017.8.4
今、ハンドスピナーというおもちゃが日本で流行っているそうだが、先月24日にフジテレビ「とくダネ!」の担当者から電話をもらうまではそれを意識したことがなかった。
ハンドスピナーで遊ぶ老若男女は、「心が落ち着く」「ストレス解消になる」「集中力が出る」「寂しさが紛れる」などの効果を感じているそうだ。
これらの効果を脳波測定で調べたいとのこと。
電話を切ってから「ハンドスピナー」をネット検索してみると、確かにそのような効果が述べられていた。
筋無力症の子供でも遊べるおもちゃを目的に開発されたそうで、'90年代にアメリカで発売された頃は「フィジェット・スピナー」という商品名だったそうだ。
フィジェット(fidget)の意味は、「いじり回す」と辞書にある。
弊社(セルシネ)で指導している聡明法の一つに、「諸脱一念想」がある。諸脱一念想とは、一点淡視、一点淡聴、一点淡触、一点淡嗅、一点淡味などによって、雑念を静めて意識を鮮明にしていくメソッドだ。
拙著「宣言 アファーメーション・バイブル 〜言霊の生かし方〜」にも書いているので、興味のある人は参考にして欲しい。
よって、フィジェットという単語を見て、「あー、一点淡触のような効果がありそうだ」と感じた。触覚の他にも、視覚や聴覚からの効果もあるのだろうと想像できた。
実験は29日(土)にフジテレビで行われた。お台場へ遊びに来た友達や家族連れにスタッフが声を掛け、リハ室に案内されてきた人達10名の脳波を測定した。
ハンドスピナーによる聡明(落ち着いた意識集中)効果を肯定する結果が得られたのは10名中5名だった。被験者の丁度半分である。効く人には効くが、効かない人には効かないという感じである。
これは、番組に提出した被験者の聡明度変化の評価である。
実験方法は、「箸で豆を摘まんで移す」と「ハンドスピナーを回して遊ぶ」を各々1分ずつ実施し、その直後の脳波を閉眼安静でそれぞれ1分間測定した。
今回は、特に基準脳波を測定することはせず、ストレスの掛かった状態とを単純に比較したいとのリクエストだった。
聡明度が増すと、このミッドα波を中心としたα波(水色、緑色、黄色)が増える。逆にストレスが大きい場合はピンクのβ波が増える。
今回は以上のような検証方法をとったのだが、ハンドスピナーで遊ぶことで聡明効果があるということを前提として、その程度を観察することも出来る。
例えば、遊ぶ時間を段階的に長くしていきながら脳波測定を繰り返すのだ。そうすると、効果の程度が山型のグラフとなって表れるはずだ。それらの結果を以て、効果的な遊び方を提示することも出来る。
オンエアされた画像をいつものように13枚、弊社「テレビ番組協力実績」紹介ページに掲載させて頂いた。
被験者と撮影スタッフに恵まれ、楽しい実験だった。
感謝
セルシネ・エイム研究所 和田知浩
vol.291 『気療ハンドの神沢瑞至氏は、みやぞんさんを眠らせることができるのか? TBSの番組「世界がビビる夜」で入眠判定した脳波の報告。』 2017.6.27
今月21日、私が脳波測定協力したTBSの番組「世界がビビる夜」が放送されたので振り返る。
収録は、今月12日に砧のTMCスタジオで行われた。
脳波測定の目的は、気療塾学院の学院長で気療師の神沢瑞至氏による気療ハンドなる気を受けるタレントのみやぞんさん(ANZEN漫才)が本当に眠るのかを判定して欲しいというものだった。
収録の冒頭では、これまでに神沢氏が披露してきた動物たちを眠らせるパフォーマンス動画が流された。
私はこれまでの30年間で1万人を超える被験者/訓練者の脳波を測定してきた。2009年にはファインブレイン研究会を発足し、2012年には部会として気律脳波研究をスタートして、気律脳波の達人「ザ・マスター」認定を行っている。
気律とは、「“気”の巡りを治めて、自他の統制と癒しを促す」気の流れのことをいう。
神沢氏の紹介動画が終わった後、ご本人がスタジオに登場した。
是非、神沢氏自身の気律脳波を測定してみたかったのだが、そのチャンスはなかった。
さっそく、気療ハンドでみやぞんさんを眠らせるパフォーマンスコーナーが始まり、私はみやぞんさんに脳波センサーを装着し、その脳波を見守った。
パフォーマンスが始まってすぐに、スタジオでは別のコーナーが進行しそのVTRが流された。その間も神沢氏のパフォーマンスは続いた。
程なくしてみやぞんさんは目を閉じ、αモードに入った。さて、ここからが注目である。入眠してα波が途切れるのか、それともα波が続いて単なるリラックス状態を維持するのか、あるいは、眠らないといけないというプレッシャーでβモードに変わるのか・・・。
数分でみやぞんさんはうな垂れた。それだけを見ると、もう眠ったのかどうかの判断はつかない。しかし、脳波はまだαモードのままだ。
私の横にはディレクターがついてサポートしてくださっていたのだが、それを飛び越えてお偉いさんが私に声を掛けてくる。「もう寝ましたか?」
私は、「いいえ、このα波が消えないと入眠とは言えません」と。
神沢氏も、気療ハンドをみやぞんさんに向けながら私の方を見てくる。「もう、入眠したはずだが・・・」という感じである。
またお偉いさんが訊いてくる、「どうですか?」。私は「まだです」。
この約10分間は何とも言えない緊張感に支配された。しかし、αモードの状態で入眠を宣言するわけにはいかない。
「寝てるはずなのに、脳波では寝てなかった? 残念だね・・・」こんな結末になることを覚悟した。沢山のスタッフと出演者がいる中でこの結果を招くのはとても大きなプレッシャーである。
でも仕方ない。この仕事を引き受けたのだから。
半分開き直りつつも、みやぞんさんの脳波を観察し続けた。と、そのとき、α波がピタッと沈静化した。
小さな声と大きな表情で、「寝ました、寝ました・・・」と報告。相手はディレクターだったかお偉いさんだったかは覚えていない。私も喜びで興奮していた。
スタジオで流されていた別のコーナーのVTRが止められ、MCの田村淳さん(ロンドンブーツ1号2号)が歩み寄ってきた。スタジオ中が安堵と喜びの雰囲気だ。
私は脳波グラフを示しながら、「α波が途切れて入眠、そして今、δ波が出てきて熟睡状態です」と淳さんに報告した。
もう一人のMCである鈴木奈々さんが、司会席から大きな声で「脳波スゲー」と言った。そのように記憶していた。
しかし、実際にはこのように言っていたのだ。
そりゃーそうだ。神沢氏の気療ハンドが凄いのだ。しかし、私の意識では脳波に入眠が、そして熟睡がハッキリと表れた喜びが大きく、その状態で聞いた奈々さんの言葉を「脳波スゲー」にすり替えたのだ。誠に、「意識の捏造ってスゲー」である。
スタジオのみんなも喜んでくれた。よかったー、ありがとう!
オンエアではこの後、みやぞんさんの入眠/熟睡脳波が紹介された。
本ブログでは、実際に測定した脳波の分布グラフを用いて詳しく解説する。
ディレクターからの指示で、10分以上前から脳波測定器をスタートさせた。脳波センサーを装着していない状態だから、グラフにはノイズの影響が著しい。
縦軸が経過時間で、下向きに流れていく。目盛りは10秒単位で、表示幅は3分である。横軸は脳波の周波数で、3.0Hz〜30.0Hzまでを0.5Hz刻みで表示している。明るい色ほどボルテージが強いことを示す。
みやぞんさんに脳波センサーを装着し、神沢氏の気療を受けるとみやぞんさんは程なく目を閉じた。それがグラフ上の15分20秒である。ノイズは消え、10Hz前後のα波が出ている。
δ波からθ波の帯域も出ているように見えるが、これが眼球運動等によるノイズなのか、それとも気療ハンドを受けている証なのかは判別できない。
δ波からθ波は弱くなり、αモードとなった。
αモードがさらに強くなった。ノンレム睡眠を迎える前だから、これをレム睡眠とは呼ばないが、ありありとした映像を伴った夢を見ている可能性はある。
話しが少し脱線するが、イメージトレーニングはこの脳コンディションで行うのである。意識はありつつPMF(パーソナル・マインド・フィルター)が薄くなっているので、映像化した理想の自己像が潜在意識にそのまま形成されやすい。
ベッドに入ってから入眠するまでのこの数分間を、私が“脳のゴールデンタイム”と名づけた所以である。
この脳のゴールデンタイムを利用した「アファーメーション法」や「微笑み法」を拙著「宣言 アファーメーション・バイブル 〜言霊の生かし方〜」で解説しているので、自己実現するための自己統御法に関心のある人にはお薦めである。
閑話休題・・・
外見上、みやぞんさんが入眠したかのように見えていたとき、脳波はこのようになっていた。
約40秒間隔で全周波数帯域にノイズが出ている。これは、みやぞんさんが唾を飲み込んだり、姿勢がカクンっとなったときである。
特に、一つ目のノイズの直後は入眠と判定しても良い状態だ。しかし、唾を飲み込んだ直後だったので入眠判定を躊躇していた。そのうち、姿勢が崩れかけたのを機にαモードに返ってしまった。
椅子に座って入眠するのは難しいのだ。4月に放送されたテレビ朝日「なら≒デキ」で、お坊さんは正座したまま眠ることができるのか? というユニークな検証のオファーを頂いて脳波測定した際も、やはり姿勢が崩れてしまうことで入眠できなかった。
この件は、本ブログに「脳波による睡眠判定の考察。テレビ朝日『なら≒デキ』からのオファーで、僧侶の正座睡眠の挑戦を観察して。」のタイトルで投稿している。
みやぞんさんは姿勢を整え直し、αモードがしばらく続いた。
この状態が30分も続いてしまえば、その後に入眠したとしても、それが気療ハンドの力であるとは言いにくいだろう。
入眠を宣言できずに少々焦りながら観察していると、突然α波が途切れた。(入眠に伴ってα波が途切れるのは、いつも突然である・・・)
私の入眠宣言を受けて、スタッフから淳さんに伝えられ、上映中のVTRは中断した。そうこうしているうちに、δ波が強く出現し始め、一気にδモード(熟睡モード)となった。
δ波の周波数帯域は0〜4Hzであるが、脳波測定器BrainPro「FM-929」は3.0Hz未満を計測できない。恐らく、見えていない0〜3Hz未満のδ波は強く出ているはずだ。
(現在は、1.0Hzまで観察することができる脳波解析PCソフト「アナライザープラス」があります。「アナライザープラス」は、脳波測定器BrainPro「FM-929」と「FM-939」で利用できます。表示帯域が広がったグラフを、弊社「睡眠脳波ラボ」紹介ページの「新『アナライザー(プラス)』と旧『パルラックスF』の分布グラフ比較」コーナーでご覧いただけます。2020.6.18追記)
スタジオがにわかに(静かに)活気だったとき、みやぞんさんの脳波にはα波も点在するようになった。無意識でも、脳は外界のざわつきに反応するのだ。しかし、もう一本筋のαモードにはならない。そして、δモードは益々強くなっていった。
最後は、自身のコーナーのVTRを途中で中断させられた的場浩司さんによって叩き起こされた。その瞬間、脳波には表情筋などのノイズがこのように入って測定を終了した。
緊張感の後の達成感を抱きつつ前室に戻った。まだ続いている収録の様子を映すモニターを観ながら、三分の二ほど残していたロケ弁を美味しく頂いた。
オンエアでは、エンドロールに「セルシネ・エイム研究所」のクレジットも掲載してくださった。
感謝
セルシネ・エイム研究所 和田知浩
vol.290 『仮眠のうまいとり方・・・。テレビ朝日「日本人の3割しか知らないこと。くりぃむしちゅーのハナタカ!優越館」からのご用命で。』 2017.5.30
テレビ番組から脳波測定のご用命を頂き、5月7日(日)に六本木のテレビ朝日を訪ねた。都営大江戸線の六本木駅で下車し、いつものように芋洗坂を下った。
これまたいつも黒柳徹子さんが迎えてくれる。約束した時刻の30分程前に到着したので、エントランスで時間調整。
この日の撮影は、地下1階のリハーサル室で行われた。部屋の使用予定表を見ると、ミュージックステーションなどのリハーサルが行われる部屋だと分かった。壁の一面には大きな鏡が張られている。
このリハーサル室に隣接する控え室に案内され、脳波解析システムをセッティングした。今回は、脳波測定器「アルファテック4」と脳波解析PCソフト「マインドセンサー5」の組み合わせを用いた。
今回の実験テーマは、「スプーンを使えば仮眠がスッキリできる」という視聴者からの投稿の検証だ。
番組スタッフから脳波測定の打診をメールでもらったのが3日前。それから3往復ほどメールで遣り取りしてこの日を迎えた。最近はこんな感じで気楽にご用命頂くことも多い。
REM睡眠について若干の誤認があるようだったので、以下のようなコメントを事前にメールした。
・・・引用開始・・・
睡魔に襲われたときの15分〜20分程度の仮眠或いは瞑想は、本当に頭がスッキリするので良いと思います。
以下に、留意点等を記します。(細かいことで恐縮ですが、正確を期するために・・・)
留意点:レム睡眠の定義について
ご存じのことと思いますが、レム睡眠のREMは(rapid eye movement 急速眼球運動)の略です。
添付画像「睡眠時における優勢脳波の変化(睡眠深度ダイヤグラム)」(私が作成したものですが、似たようなグラフはご覧になったことがあると思います)のREM(破線円で囲んだ部分)がそれです。
御企画において、“脱力した指からスプーンが落ちる”という時間帯は、赤線四角で囲った部分になると思われます。
赤線四角とレム睡眠の脳波はほぼ同じです。しかし、決定的な違いが以下の通りあります。
1.レム睡眠はノンレム睡眠の後に来る睡眠ステージ
2.急速眼球運動の有無(赤線四角では急速眼球運動はありません)
3.レム睡眠では筋弛緩状態(REMではよく夢を見ていますが、夢のシーンに合わせて身体が動くことのないように運動神経の興奮は抑えられています。よって、“レム睡眠を抜ける直前で脱力した指からスプーンが落ちる”という表現は適切ではありません)
筋弛緩で指からスプーンが落ちる状態は、例えば電車に乗っているときにコックリするのと同じ睡眠ステージですから、単に入眠期(睡眠ステージ1)、軽睡眠期(睡眠ステージ2)、うとうと、まどろみ等と表現する分には問題ありません。
・・・引用終了・・・
被験者は4名の男女が集められた。仮眠の実験が始まって1時間以上経過しても入眠できずに断念した人もいた。あくまでも、仮眠時間のお薦めである15分〜20分程度という長さは、すぐに入眠した場合の時間だ。
幸い2名の被験者はすぐに入眠することができ、実験の目的を果たすことができた。
番組スタッフに挨拶をして達成感を抱きつつエントランスを出ると、もうすっかり日が暮れた中に東京タワーが光っていた。
翌日には脳波測定グラフを動画(mp4)化して提出する作業が残っているが、帰宅してひとまず美味しい酒を頂いた。
後日、脳波動画データなどをネット経由で提出した。この素材を織り込んだVTRがスタジオ収録で流され、それがまた編集されて完成するというステップだ。
25日のOAは次のように始まった。丁度60回目の放送だそうだ。
「みんなに教えたい投稿ハナタカ!!」は、番組最後のコーナーだ。
まずは問題提起。この女性は、普段2時間ぐらいの仮眠をとるそうだが、寝ない方が逆に楽なのかなと思うぐらい、寝て起きるのが辛いのだそうだ。
恐らく、ノンレム睡眠中に目覚まし時計で起きておられるのだろう。近頃は、睡眠中の体動を計測して、レム睡眠と思われるときにベルで起こしてくれるスマホアプリもあるので試してみるのもいいだろう。
今回のテーマは、「仕事中に眠たくなった場合のうまい仮眠のとり方」だったので、そもそも数時間の仮眠というのは想定に無い。
このグラフ「睡眠時における優勢脳波の変化(睡眠深度ダイヤグラム)」に、赤い四角で示した中で目覚めるのがうまい仮眠のとり方だ。この枠の中でなるべく長い時間の仮眠をとると良い。頭スッキリで目覚めることができる。
瞑想や座禅、自律訓練法などを行うと頭がスッキリするが、これも、深い睡眠ステージまで落ちないからだ。座禅では、自分が入眠しないために“半眼”で行う。斜め下の床を見ながら、その視線が杖のような役割を果たして入眠することを防ぐ(脳波をアルファモードかシータモードに維持する)のだ。
今月17日に放送されたNHK「ガッテン!」〜これが世界最先端!“認知症”予防SP〜でも、昼間の睡眠は30分がお薦めだと解説していた。脳が活動したときに増える老廃物「アミロイドβ」(アミロイドβ蛋白質)を効率良く排出できるのが睡眠なのである。
さて、今回の実験である。「スプーンを使えば仮眠がスッキリできる!?」
スプーンを指に挟んで眠る。4名中2名は入眠できなかったのだが・・・
先ほど紹介したように、ミュージックステーションのリハーサルなどで使われているだだっ広い部屋で、しかも明るくしている。理由は、オフィスなどでの仮眠を想定しているからだ。
実験開始から15分ほどでスプーンを落とした。そして、床に落ちて響いた音で目覚めた。アルファモード(緑色)だった脳波は、スプーンが落ちたときの音で途切れて目覚めた(これを「アルファブロッキング」という)。
アルファモードが途切れて入眠するのだが、分かりやすい脳波グラフを弊社ウェブページ「終夜睡眠脳波の分布グラフ例」に掲載しているので参考にして欲しい。
上のオンエア画像では、アルファブロッキングの後に弱いデルタ波(灰色)、そしてシータ波(青色)が出ているように見えるが、これは額の筋肉電位によるノイズだと思われる。このようなノイズの影響を受けたくない場合は、頭髪のある部分にセンサーを当てて測定するのだが、電極ペーストを介さないとならないので、今回は簡易測定にとどめた。
いつもの2時間睡眠よりもスッキリしたそうだ。
睡眠深度が深くなると筋肉が弛緩するのでスプーンを落とすと解説した。当たり前と言えば当たり前だ・・・
「仮眠からスッキリと目覚めるポイントは、熟睡しないということです」と自信たっぷりに解説したのだが、放送ではバッサリと切られていた。
一応満点の「ハナタカ!認定」をもらったが、前回の「玉ネギを枕元に置いて寝ると脳がリラックスして安眠」の投稿ハナタカほどには盛り上がらなかったようだ。
玉ネギの安眠効果の反響は今も続いている。講演する際にこのネタを披露すると、「詳しく教えてください」と講演終了後に来られたりする。「寝室が玉ネギ臭くなりますよ・・・」と前置きしても、「そのくらい大丈夫です・・・」と。
今回も睡眠ネタだったが、多くの人達が睡眠に課題を抱えているようだ。
セルシネ・エイム研究所 和田知浩
vol.289 『セルシネの脳波測定サービス、“脳コン解析”への30年の軌跡。そして、これからの挑戦。』 2017.5.9
早いもので、私が脳波測定を始めて30年が過ぎた。
私の仕事は、様々な分野で頑張っている人達の能力開発をお手伝いすることだ。セルシネのトータルセッション。
能力開発は、イメージトレーニングが効果的だが、その効果にはぶれがある。なぜなら、それを実践する本人の脳コンディションに左右されるからだ。
的確なトレーニングを指導するためには、本人の脳コンディションを客観的かつ正確に知る必要がある。そのために、脳波を測定する。
10年ほど前からは、ニューロマーケティング(商品に対する消費者の印象を脳の反応から直接分析し、販売に繋げようとする取り組み)や従業員のメンタルヘルスの分野でもご用命を頂くようになってきている。
ドイツの神経科学者/精神科医のハンス・ベルガーが人の脳波を初めて計測したのが1924年と言われるから、人類としては93年が経ったことになる。
今でもそうだが、1ボルトの百万分の1という微弱な電位の計測は、相対的に巨大なノイズとの戦いである。ベルガーが脳波の研究を発表したときには、そんな脳からの信号があることなど、とても信じてもらえなかったそうである。
1935年には日本でも脳波計が試作されはじめ、1951年には国産第1号の臨床用脳波計「木製号」が製作された。この写真は、千葉県の医科器械資料館に展示されていた「木製号」と一緒に記念撮影した2008年当時のものである。
私は21歳のときに脳波測定器「クラウス1000PF」を購入した。この測定器だけなら20万円ほどで購入できた時代だ。セットされていた教材も含めると約70万円した。
脳波の中で10Hz前後のα波だけに絞った測定器で、センサーはおでこの左(Fp1)か右(Fp2)の1箇所だけに当てる仕様だ。いわゆるバイオフィードバック装置で、最近はニューロフィードバックとも言われるマシーンだ。
α波の強さを音のトーンやインジケーターで表示されるので、徐々にα波の出し方を体得できるというものだ。但し、言うは易く行うは難しで、相応の集中的トレーニングを要する。
左側には自己啓発の内容が録音されたカセットテープを入れ、スイッチをONにすると、α波が設定以上の強さで出たときにだけ再生されるという機能があった。すなわち、脳が学習効率の良いときにだけ音声を再生する訳だ。
これを購入した数ヶ月後には、この会社の門を叩いた。株式会社エス・エス・アイ SSI脳力活性研究所である。
入社すると、次期モデルの脳波測定器「クラウス2000PF」が丁度発売されるところだった。私の最初の仕事は、この「クラウス2000PF」のメンテナンス技術を習得するために、製造メーカーである日本通信機株式会社に通うことだった。
「クラウス2000PF」は、「クラウス1000PF」の脳波(α波)フィードバックに加え、皮膚の温度と電気抵抗、そして脈拍数の計4つの指標があった。様々な生理指標を用いて、自律神経をも統御する能力開発を目指したものだ。
「クラウス2000PF」のメンテナンス教育期間を終え、一人技術部としてSSI社で色々と使用試験をしているときに、それこそ椅子からひっくり返るほどのビックリ体験をした。
脳波センサーを頭に巻き、脳波センサーのプラグを別の指標のジャックに順番に差し込んでいるときだ。プラグを差し込んだ瞬間にもの凄い衝撃が頭を直撃した。その電気ショックで頭が後ろに“ドンッ”と倒され、椅子から転げ落ちそうになったほどだ。
メーカーの営業担当者に伝えると、その表情と顔色が一気に変わった。まだPL法(製造物責任法。1994年成立及び施行)がなかった時代だが、ユーザーに起こったら大変な事態であることに変わりはない。それこそ命にかかわる事件となる。
脳波センサーを他のジャックに誤挿入しない加工がすぐに施され、既に購入しているユーザーには善後策がとられた。
次に販売された「クラウス3000PF」では、α波の帯域を3つに分けて、α1はスローα波、α2はミッドα波、α3はファストα波と呼ばれた。さらに、β波とθ波も測定できるようになった。
このように様々な周波数を細かく分けて測定しながら被験者の精神状態を観ることで、経験則的にその特徴が分かってきた。また、専用の脳波解析PCソフト「パルラックス」で細かく分析し、そのデータも保存できた。
経験則的な各脳波の特徴は、脳波関連ポータルサイト「ノウハダス」の「脳波の種類」コーナーに掲載している。
このような脳波解析システムをSSI社では数百人/月のオーダーで販売していたので、ユーザーサークルには沢山の測定データが集まった。
「脳波の種類」コーナーに掲載しているように、脳波の優勢周波数(一番強く出ている周波数の脳波)によって、被験者の精神状態が分かる。
さらに、脳波のバランス(各々の周波数の含有率)によっても被験者の状態を推察できるようになった。その研究成果を形にしたのが、1999年に発売された「クラウス5000C-PF」とそのPC解析ソフト「パルラックス2」である。
脳波の各周波数のバランスから脳コンディションを導き出す計算式は以下の通りである。
◆分散緊張=β
◆リラックス=α1+θ/2
◆集中=α2+α3/2
◆眠気=θ
表示の順番は、周波数に合わせて「分散緊張」「集中」「リラックス」「眠気」とすべきなのだが・・・
評価式の詳細は、「パルラックス2」の後継モデル「パルラックス・ライト」紹介ページに掲載している。
現在は、2012年に発売された脳波解析PCソフト「パルラックス・プロ」によって、さらに細かく脳波のバランスを観察でき、そのバランスから被験者の脳コンディションを推察できるようになってきている。
脳コンディションとは、例えば、ぐっすり、まどろみ、ゆったり、すっきり、はっする、せかせか、好集中(達人集中)、分散緊張(凡人集中)、オープンマインド、睡眠深度(レム睡眠、ノンレム睡眠
等)、聡明、リラックス、ストレス、ハイパフォーマンス等々だ。
測定データをExcelに入力して、脳のコンディションを導き出す。
脳波をFFT処理した後の定常波(δ波、θ波、α波、β波など)のみならず、生波形(RAWデータ)も手軽に観察できるので、今後は事象関連電位(P300、CNVなど)や睡眠脳波の分析にも注力していきたい。
明日には脳力開発研究所から新型ニューロフィードバック装置「アルファテック7」が発売される予定だ。少し遅れるかもしれないとのことだが、実際に手にとって確かめて、有用ならば弊社サービスにも導入したいと思っている。このマシーンは、我々脳波研究家にとっても価値ある道具になると思う。
ありがたいことに、私一人で活動しているセルシネ・エイム研究所には、個人や同好会、大学、企業、テレビ番組と様々なお客様から脳波測定に関するオファーを頂いている。
サービス名称は、これまでの「脳波測定サービス」を変更し、今月4日から「脳波測定/脳コン解析サービス」とした。正確な測定技術にとどまらず、脳のコンディションを導き出すオリジナリティを訴求するためだ。
セルシネの脳波測定/脳コン解析サービス、是非!
セルシネ・エイム研究所 和田知浩
vol.288 『脳波による睡眠判定の考察。テレビ朝日「なら≒デキ」からのオファーで、僧侶の正座睡眠の挑戦を観察して。』 2017.4.18
2月24日、テレビ朝日の番組「なら≒デキ」から電話が入った。
番組名「なら≒デキ」は、「プロにムチャぶりバラエティ ○○なら××デキるはず」の略称だ。
弊社に脳波測定の相談があった今回のテーマは、「お坊さんなら正座したままぐっすり眠る事がデキるはず」だ。
普通の挑戦なら、「瞑想しても眠らない(ウトウトしない)」であろう。しかし今回は、「ぐっすり眠る」ことに挑戦するというのだ。
僧侶だから結跏趺坐は楽に組めるだろう。それを「正座で」というのがハンディキャップなのである。正座がハンデになる理由は、“足が痺れる”こと、そしてもう一つの理由は後ほど紹介する。実際、この後者の理由が大きなハンデとなった。
撮影場所は、映画「男はつらいよ」の舞台である柴又に近い高砂の崇福寺。撮影日の3月3日は清々しいほどに晴れ渡っていた。
以下、オンエア画像を引用しながら振り返る。
挑戦するのはこのお寺の副住職、水上昇真氏。正座したまま寝た経験があるのだそうだ。
脳波測定は、脳波解析PCアプリ「パルラックス・プロ」で部位Fp1を、「パルラックスF」で部位Fp2を観察した。部位については、国際脳波学会が提唱する10-20法に基づく電極配置に紹介している。
画面左のウィンドウが「パルラックス・プロ」で、Fp1の生波形、スペクトル折れ線グラフ、スペクトル棒グラフを表示した。画面右は「パルラックスF」で、Fp2の分布グラフを表示させた。
脳波解析のモニターは一部屋を挟んで10メートルほど離れたところにセットした。通常なら被験者の様子を映すモニターもあるのだが、今回は解析モニターだけの設置となった。
出演者による「デキる」「デキない」の予想数は半々だった。
分布グラフを見ると、ペンで指している時刻からアルファモードになっていることが分かる。よって、目を閉じて気持ちも落ち着いてきたと推察できる。
この後1時間を越える挑戦が続き、途中ちょっとしたハプニングもあった。
本番組は、民放公式テレビポータル「TVer(ティーバー)」で明日(19日)まで視聴できるので結果はそちらで確認頂くとして、入眠を妨げ続けたもう一つの理由(壁)を、番組で提示された以外のグラフを用いて紹介しよう。
このスペクトル分布グラフは、睡眠深度がステージ1(入眠期)であることを示している。弱いシータモードで、生波形だと漣(さざなみ)のように見えるから、これを漣(れん
ripple)波期と呼ぶ。いわゆる半睡半覚である。
しかし、立ちはだかる壁によって結局覚醒に戻された。
もう一つのグラフを紹介しよう。これは生波形だが、時たまこのような2相性の瘤(りゅう hump)波が現れた。すなわち、睡眠ステージ1乃至2(入眠期〜軽睡眠)だ。しかし、完全な睡眠ステージ2に入ったことを示す紡錘(ぼうすい
spindle)波の出現までには至らなかった。
まどろみ状態には達したものの、そこから睡眠サイクルの軌道に乗れなかった理由は何か? 正座というハンデが生じさせた“足の痺れ”ともう一つの原因は?
それは、抗重力筋の弛緩による“体勢崩れ”である。
この実験では被験者の様子を撮影したモニターがなかったので断定できないが、恐らくは、「姿勢が崩れそうになって覚醒する」を繰り返していたのだと思う。
オンエアされた動画でも私が言っていた「電車の中で居眠りしている状態」を想像すると分かりやすいだろう。
隣の人の肩に寄り掛かりそうになったり、よだれが落ちそうになって目覚める状態だ。
この壁を乗り越えて睡眠ステージが3(中等度睡眠)、4(深睡眠)、REMのサイクルへ進むと睡眠である。
座禅本来の座り方である“結跏趺坐”ならばこの壁は乗り越えやすかったかも知れない(もっとも、瞑想中に乗り越えてはいけないのだが・・・)。正座では重心が高くなってしまい、床との接地も不安定であるから、睡眠へのハードルが高いのだ。
ただ、今回のシチュエーションでは睡眠判定基準が少々厳しすぎたかもしれないとも考えている。
安定した結跏趺坐でゆっくりと身体を揺らしながら禅定の準備を整える方法を道元禅師(日本曹洞宗の開祖)が説いている。拙著「宣言 アファーメーション・バイブル 〜言霊の生かし方〜」の第十鍵「ゆるし」でも触れているので、ゆるしの瞑想に興味があるならば参考にして欲しい。
本番組のシーンを、いつものように「テレビ番組協力実績紹介」ページに掲載させて頂いた。
感謝。
セルシネ・エイム研究所 和田知浩
vol.287 『ジブリッシュで脳波はどうなる?』 2017.4.5
先月の2日、快活な青年から電話が入った。
昨年、NHK Eテレの番組「Rの法則」〜テスト勉強に集中する方法〜で、森健次朗氏(一般社団法人 日本集中力育成協会 理事長)が紹介されたメソッド「集中力カード」の効果を脳波測定で検証したが、その森氏が「脳波測定なら和田さん・・・」と紹介して下さったのだそうだ。
当時放送された様子は、このブログに「NHK Eテレ『Rの法則』で、テスト勉強に集中する方法の効果を脳波測定で検証。」のタイトルで投稿している。
今回お電話を頂戴した脳波測定の目的は、“ジブリッシュ”なる頭を空っぽにするメソッドの効果を脳波で検証したいとのことだった。
ジブリッシュ(gibberish)とは、訳の分からないおしゃべり、でたらめ語のことだ。
要するに、でたらめな言葉を発することで、普段は言葉に縛られている頭と心を解放して、リラクセーションを得るというメソッドなのだそうだ。
なるほど、よく分かった。アルファ波が沢山出そうだ。
電話の話の中で、面白いケースを聞いた。ジブリッシュを始めて間もない人の中には、「頭の右側がジンジンする。血液が流れているのを感じる・・・」と報告する人がいるのだそうだ。
でたらめ言葉を発するだけでそこまでの効果が・・・? その話しを聞いたときの私はまだ半信半疑だった。
電話をくれた青年の名は「大久保信克」、株式会社笑い総研の代表取締役社長だ。電話を切った後に同社のHPを拝見すると、ジブリッシュとラフターヨガ(笑いヨガ)の普及活動を勢力的に展開しているユニークな会社であることが分かった。
大久保氏がTEDxでジブリッシュについてスピーチしている動画もある。
その後、ジブリッシュの脳波測定実施の打ち合わせをメールでする中で、拙著「宣言 アファーメーション・バイブル 〜言霊の生かし方〜」の感想も頂いたので紹介する。
・・・以下、頂いた感想・・・
ご著書を今、丁寧に読ませていただいております。
大変感動しております。
ジブリッシュは、先生のお言葉を借りると、(言葉によって)プログラミングされている感性的自我の循環にストップをかける、壊す力があると感じております。
そして常々、その崩壊のあとに、言葉が大切になってくるということを感じ、言霊やアファメーションは意識的に勉強しておりました。
先生のご著書を読ませていただくうちに、すべてがつながってきています。
ジブリッシュとアファメーションを合わせることで、理性的自我を育て、感性的自我の自己統御がより楽しく、簡単にできる気がしております。
「ジブリッシュのあとに求めていた答えがここにあった!!」そのような感覚です。
また、各項目のMAにも大きな力をいただいています。
引き寄せの法則など言われますが、皆小我の観点ばかりで、大我の観点が抜けていると思います。
私自身高校から自己啓発書を読んできたのですが、引っかかっていた部分がよくわかりました。
「道理」古来の日本人は当たり前に大切にしていた部分と思います。般若心経の解説も目から鱗です。
「勇気」をはじめて読んだときは、内側から沸き起こる勇気・喜びを強く感じ、感動が溢れました。
近年なかった、本との感動的な出会いです。アファメーションの真髄を学ばせていただき感謝致します。
脳波測定と別の部分でも、色々とお話伺わせていただき学ばせていただければ幸いです。
御世話になりますが、どうぞ宜しくお願い致します。
・・・以上、頂いた感想・・・
そして、先月25日に町田市でジブリッシュの脳波測定を実施した。
被験者は大久保氏を含め9名で、まず全員の基本脳波を測定した。普段は左前額部(Fp1)のみを測定するのだが、上に紹介した「右側ジンジン・・・」も検証したいとの大久保氏の意向で、左右両方(Fp1、Fp2)を同時に測った。
脳波測定器「FM-828」は1部位しか測定できないから、2箇所測定する際には「FM-828」とPCが2セット必要となる。
センサーは弊社特製の万能脳波センサー「エンフレック」を用いた。
全員の基本脳波を測定した後、別会場で大久保氏によるジブリッシュ誘導が実施された。
そしてまた、一人ひとりの脳波を測定した。
全員の脳波測定が終わると、測定データを一つのPCに整理し、基本脳波とジブリッシュ後の比較を脳の左右それぞれにプリントアウトした。被験者へのプレゼント用である。
まず、30分ほど頂いて「脳波のいろは」をお話しした。そして、各々に脳波測定の結果を手渡し、皆で侃々諤々・・・。約1時間の充実かつ楽しかったレクチャーを終えた。
ひときわ目を引いたのが大久保氏(ニックネームは「のびー」)の測定結果で、これが左前額部(Fp1)の脳波だ。測定時間は2分である。グラフの左側が各定常波(アルファ波やベータ波のこと)の平均電位で、右側が優勢率である。カラーの棒グラフがジブリッシュ後で、バックに重なっているクリーム色の棒グラフがジブリッシュ前に測定した基本脳波だ。
ミッドアルファ波(α2)が強く出ているので、聡明な脳と心であることがうかがえる。脳波バランスも、ミッドアルファ波を中心とした山型で理想的である。そして、ジブリッシュの前後で殆ど差が無いので、脳のコンディションが日常的に安定していると評価できる。
大久保氏は、ジブリッシュの体得でこのような脳コンディションを身に付けられたのか、それとも元々なのかは分からないが、とにかく“落ち着いた意識集中”であることは確かである。
右脳(Fp2)も同様だ。強いアルファモードで、ジブリッシュの前後でほぼ同じ脳コンディションだ。
ミッドアルファ波の最高電位は、ジブリッシュ後の右脳で27μVを記録した。素晴らしい。
各定常波の特徴は、脳波の種類に掲載している。
今回の測定では、被験者9名の共通変化は見られなかった。ジブリッシュ後に肯定的な(ベータ波が弱まりアルファ波が強くなった)人もいれば、その逆の人もいた。肯定的変化になった人の中には、「聴覚が研ぎ澄まされた」との自己評価を報告する女性もいた。
例えば、リラクセーションを誘う香りや音楽を体験した場合、個人差はあるものの、ほぼ同じような脳波バランスの変化が起こる。しかし、今回のジブリッシュでは、その前後において、てんでんばらばらの結果となった。
このことは、ジブリッシュの没頭度合いに左右されたと思われる。人前で真のジブリッシュを実践するには、やはりある程度の決意を以て気恥ずかしさのハードルを越える必要がある。
ただし、変化の足並みが同じ方向に揃わなかったのは、その理由だけではない。
別の理由は、例の「頭ジンジン」現象である。
あまりに特徴的な変化だったので、脳波測定結果のプリントアウトを配った際に訊ねた。
「○○さんは特徴的な変化がありましたが、何か感じることはありますか?」
すると、大久保氏が、「えー、凄い! ○○さんはジブリッシュの後に、頭の右側がジンジンすると言ってたんです」
その人の脳波を紹介しよう。
これは、左脳の変化である。ベータ波の優勢率が2倍になっているが、平均電位は1.2μVの上昇にとどまっている。
ところが右脳は・・・。一目瞭然、ベータ波の平均電位が倍増し、優勢率に至っては98.3%を記録した。
これが、ジブリッシュを実践して頭の右側がジンジンすると報告する人の脳波である。
これはとても貴重な研究成果だ。
ジブリッシュというとても簡単でお金も掛からない手法で、脳波がここまで変化した。さらに、左右差がこんなにハッキリと出るのも珍しい。
ジブリッシュの効果を肯定する変化とは全く違う結果だが、頭に、それも右側にしっかりと効いていることは確かである。この被験者は、何かを切っ掛けにして突然に大久保氏と同じような脳波になる可能性がある。
話しが長くなって恐縮だが、ベータ波の増減と能力開発の関係について、私が1990年代に検証した研究を述べておきたい。今回の測定結果に類似する点があるからだ
当時私は、SSI脳力活性研究所の研究員として、速話聴取法(SSI社の登録商標は「速聴」)効果の実証実験と速話聴取マシーンの開発コーディネートを担っていた。
そのときに得た知見を、拙著「速話聴取マニュアル」のsession3に記しているので、抜粋して紹介する。
・・・以下、抜粋した引用・・・
当時、私は一つの仮説というか予測をしていました。それは、「初心者が聴き取ることができるぎりぎりの3倍速弱になると、言語中枢がある左側頭葉はベータ波が優勢になるであろう」ということです。この仮説は、半分正解で、半分間違っていました。いえ、間違いというよりも、更におもしろいことを発見することができたのです。
測定は次のように行います。まず、被験者がリラックスするように誘導して、脳波の周波数全域が十分に下がるか、もしくはアルファ波が優勢になるのを待ちます。脳波が安定したら、その脳波を基準にして、速話聴取をしている時の脳波を比較していくわけです。
測定結果は以下のようになりました。
2.8倍速付近で左側頭葉がベータ波優勢になり、ベータ波のボルテージ〔μV〕が高くなります。これは予想通りでした。言語中枢が速話音を懸命に処理しているのでしょう。そして、被験者が聴き取れない3倍速強になると、ベータ波は沈静化してしまいます。おそらく、言葉として理解できないので、言語中枢はお役御免となるのでしょう。これも予測のついたことでした。
当初聴き取れない速度でも、繰り返し聴取していると誰でも聴き取れるようになります。このことは、経験的に分かっていることです。この経過を脳波で追跡しようと測定を繰り返していた時のことです。突然、被験者の右側頭葉で、頻繁にベータ波が優勢を示しだしたのです。
これには首をかしげてしまいました。なぜ、音楽や信号音、雑音などを処理する右側の聴覚中枢が賦活、すなわちその領域だけが活性化するのか? 「言葉として理解できないスピードだから、雑音として右側で処理される」ということは分かります。でも、雑音に速いも遅いもないだろう・・・。右側がなぜ賦活するのか、理解できなかったのです。
なぜ、右脳の聴覚中枢が賦活するのか。予想外の現象に、私は帰納的推論に切り替え、固定観念を捨てて、被験者の能力ぎりぎりの速度で速話聴取してもらい、その時の脳波を観察することを繰り返しました。
そして、何日が経過した時だったでしょうか、ふーっと現象が見えてきたのです。右脳は、あたかもリズムをとっているかのようなのです。高速音声のリズムに懸命に同調しようとして活性化して、同調することができると、今度は左脳が活性化して言葉の意味を理解しようとする。これを繰り返しているように見えてきたのです。
そして、十分に言葉が理解できるようになると、両方の聴覚中枢の賦活性は消えてしまいます。すなわち、ベータ波は沈静化するのです。
・・・以上、抜粋した引用・・・
近頃は、「言語中枢など無い。脳の様々な部位が言語処理にかかわっている」などとも言われるのだが、脳全体を中枢神経と捉えて、それぞれの役割領域と解して欲しい。
また、例えば脳梗塞によって左の言語野神経細胞が死んでしまっても、適切なトレーニングによって右側に言語野が生じることも確認されている。'90年代に開催した能力開発セミナーで紹介していた、番組「NHKスペシャル」に登場するドイツ人男性患者の通りである。
今回の「ジブリッシュ脳波測定研究会」は、電極ペーストを用いるエンフレックで左右にセンサーを貼る作業のために、タイトな測定スケジュールを圧迫して少々焦った。しかし、ジブリッシュ後の測定では、事前に被験者に自身のおでこと耳朶をウェットティッシュで拭いてもらい、測定後は電極ペーストを拭き取ってもらうようお願いした。お陰で、スケジュールの遅れを挽回することができた。
大久保氏がおっしゃるように、ジブリッシュとアファーメーションは掛け算するに持って来いの能力開発/自己統御メソッドだ。
ジブリッシュは裸の心になること、アファーメーションは新たな服を心にまとうことである。
能力開発の段階的局面を脳波測定で追跡することにより得られるであろう知見は、「ジブリッシュ」×「アファーメーション」の効果的な指導マニュアルの制作に貢献するはずだ。
測定会が終了した後は、町田駅近くの居酒屋で催された懇親会にご招待頂いた。楽しかったー!
感謝。
セルシネ・エイム研究所 和田知浩
vol.286 『読売テレビ「情報ライブ ミヤネ屋」からのオファーで、カラオケ歌唱効果を間宮久美子リポーターの脳波で検証。』 2017.3.17
夕方、読売テレビから電話が入った。「明日、大阪に来て生放送で脳波を測定してもらうことは可能か?」と。カラオケ歌唱の効果を検証したいのだそうだ。
「はい、大丈夫です」と答えた。
番組は、【情報ライブ ミヤネ屋】とのこと。測定方法など色々話した。
「もう少し揉んでみて、また電話します」とのことで、一旦電話は切れた。
1時間後にまた電話が来て、「明日の生放送での脳波測定はなくなった」と。ただ、まだ何らかの方法がないか検討しているとのことだった。
そして21時半頃、この日3回目の電話が入った。明日、銀座のカラオケ店でロケをすることになったと。ロケのディレクターはまだ決まっていないので、明朝決定後、ディレクターから電話を入れるとのことだった。
「はい、了解しました」と答えたが、ここに大きな勘違いがあることをロケ終了間際に知ることとなる。
翌朝9時に、番組が用意してくれたタクシーで銀座へ向かった。途中、約束通りディレクターから電話が入った。
到着するとディレクターが出迎えてくれた。案内されてカラオケ店に入ると、何とも豪華な店だった。中には多目的スペースのような部屋もあって、大勢の客が楽しそうに作業をしていた。
案内された部屋に脳波測定器をセットすると、打ち合わせもそこそこにカメラが回り始めた。
間宮リポーターの登場。
有無を言わせず額の化粧をウェットティッシュで拭き落とす。耳朶も軽く拭く。脳波測定の精度を高めるために必要なのだ。
昨日の大阪との電話で了解をとっているから怖くない・・・、と自分に言い聞かせる。
まずは、間宮リポーターの基準となる脳波を測った。
スタジオに専門家がいらっしゃる予定なので、私はオペレーターとして黒衣だと認識していたが、OAでは顔も名前もしっかりと出して頂いた。
間宮リポーターは3曲熱唱した。その歌唱中と歌唱直後の脳波をそれぞれ測定した。
カラオケ効果は少なからずある。このことは、3年半前にオファーを頂いた他の番組でも検証し、本ブログに「フジテレビ『めざましテレビ』で、“朝カラオケ”効果を脳波で検証。」 のタイトルで投稿している。
さて、今回はどうか・・・?
全ての歌唱が終わった後に測定結果の概観を述べ、その様子を撮影された。
その映像は大阪で編集する際の参考にするもので、そのまま放送に乗ることは無いとのことだったので少し気楽に・・・。ただし、全測定を俯瞰できるようなデータ解析をしていないので、個別のデータ(最大2つの比較グラフ)を見ながら検証するのは大変なのである。
撮影が終わると、カメラマンと音声さんは急いで撤収。
続いて、測定動画の納品である。測定中の脳波グラフと同じものを動画(mp4ファイル)にして納めるのだ。そして、全測定データをExcelに取り込んで俯瞰した解析を行う。
皆さんが慌ただしくしているので、ディレクターに訊ねた。「動画データの作成はここでやりましょうか? それとも一旦持ち帰って作成し、ネット経由で提出しましょうか?」と。
ディレクター曰く、「持ち帰って作成する場合は、何時ぐらいになりますか?」
私は、(少し余裕を見て)「今晩には提出できます」と答えた。
ディレクターは、「それでは間に合わないから、ここでお願いします」と言って、部屋の延長手続きをされた。
放送日が近いから編集の日程が惜しいんだなと思い、「いつの放送ですか?」と訊くと、「今日です!」と返ってきた。
「えー、もう始まるじゃないですか」
「このコーナーは(午後)3時過ぎですから・・・」
驚いた。
動画化を待っている間にディレクターは、大阪と電話しながら打ち合わせをしている。大阪には先ほど撮影した映像が既に届いていて、その映像を見ながらの確認作業だ。
結局、動画化するデータは必要なものだけに絞ってもらった。Excelでの解析は割愛だ。各脳波(定常波)の特徴を表にしたA4用紙2枚をディレクターに渡して完了した。
見守ってくれていた間宮リポーター、そしてディレクターに見送られて銀座を後にした。
コーナーが始まる15時迄には戻れそうだが、番組を最初から観たかったのでタクシーから自宅に電話した。「今から始まるミヤネ屋を録画して・・・」
スタジオでは、梅沢富美男氏と橋本五郎氏が「夢芝居」を歌った。なるほど、当初はこのシチュエーションで脳波を測りたかったのか。
間宮リポーターの脳波が提示された。歌唱中の脳波はノイズが多いので、歌唱直後の脳波を検証している。
番組は、カラオケ効果をこのように紹介した。
感謝。
セルシネ・エイム研究所 和田知浩
vol.285 『熟睡は健康の元、健康は熟睡の元・・・。NHK「ガッテン!」〜最新報告!血糖値を下げるデルタパワーの謎〜に、脳波測定器を提供。』 2017.3.9
NHKの「ためしてガッテン!」が昨春「ガッテン!」にリニューアルしてから初めてのオファーを頂いた。この回は、熟睡することで血糖値が下がり、糖尿病の改善や予防に繋がることを紹介するものだった。
ディレクターからの相談は、「スタジオに脳波測定器を用意し、ゲストタレントにデルタ波を出すチャレンジをしてもらいたい」とのことだった。
デルタ(δ)波とは、熟睡しているときに強く出る脳波だ。いわゆる“ノンレム睡眠”である。よって、スタジオ収録中にタレントが頑張って出そうとしても生理機能的に無理であり、それを後で種明かしするのが楽しいというわけである。
しかし、そもそもこのアイデア自体にも無理がある。なぜなら、デルタ波の周波数帯域には、額や瞼などの筋肉が動いたときに生じる電位がノイズとなって脳波を埋もれさせてしまうからだ。
ディレクターもこのことは承知の上で、それを何とか可能にできないかとの相談だったのである。
下の分布グラフは、私自身の入眠直前の脳波を測定したものである。横軸が周波数で3Hz〜30Hzを0.5Hz刻みで表示している。デルタ波は4Hz未満であるから、グラフでは最左端の2目盛り程である。3Hz未満のデルタ波は表示されないから、スローデルタ波までは分からない。縦軸は経過時間で、上から下へ時間が流れている。
この分布グラフへのリンクも含めて、詳しい終夜睡眠脳波の解説は、以下の弊社ウェブサイト「終夜睡眠脳波の分布グラフ例」に掲載している。
脳波センサーを装着して測定準備を整え、測定を開始してからベッドに入った。一目で分かるように、開始から1分10秒辺りまでは、特に低い周波数帯域で強い脳波が出ているかのように見える。これがノイズである。
目を閉じるとノイズは消え、脳波か浮き彫りとなる。目を閉じて安静にしているので、アルファ(α)波が優勢となり、それが続く。すなわち“αモード”である。
αモードが数十秒から20分程度続いた後、アルファ波は消え(たように弱くなり)、シータ波やデルタ波が強く出るようになる。なかなかアルファ波が弱くならなかったり、逆にベータ(β)波が強く出たなら、それは「入眠失敗」なのである。
弊社ウェブサイトに掲載している色々な情報を案内しながら、目的実現のための方法について会話した。最後にディレクターから、実際に測定してみたいとのリクエストを頂いた。先約があったので、それが済む20時以降に弊社を出てNHKに向かうということでも宜しければ可能と伝え約束した。
渋谷のNHKに到着したのは21時半ちょっと前になった。小さな会議室に案内され、そこで幾度となく短い測定を繰り返した。さすがNHKのディレクターだ、アルファ波が強く出る。そして、目を開けてもデルタ波帯域のノイズが出ないように自己コントロールされた。しかし、初めて体験するタレントゲストに挑戦してもらうには無理があることに変わりはない。
明後日にスタジオ収録を控え、明日のミーティングで検討したいとのことだったので、脳波測定器一式を預けて帰宅した。明後日の本番前のリハーサルは11時30分開始とのことなので、私は11時入り予定となった。
そして翌日、ディレクターから「検討した結果、スタジオでの脳波測定器利用はなくなった」と電話があった。残念だが仕方ない、妥当な結論だと私も思った。明日の11時にNHKを訪問し、脳波測定器を引き上げる約束をして電話を切った。
そして翌日の朝、ディレクターから電話が掛かった。こんな方法はできないか・・・、あんな方法はできないか・・・、と。まだディレクターは諦めていなかったのだ。そのリクエストに応えられる別の脳波測定器を急遽用意し、NHKに参上した。
11時半ちょっと過ぎにリハーサルは始まった。私は、2種類の脳波測定器を用意し、スタジオの後ろでスタンバイした。しかし、脳波測定器は使われないままリハーサルは終了した。
スタジオを一旦引き上げる小野文惠アナウンサーが遠くの私に気づいて会釈してくれたので、私も会釈を返して見送った。と思ったら、くるりと方向転換して私の方へゆっくりと歩いてきた。私は椅子から立ち上がり、今度は深々とお辞儀した。
小野アナは、話しが二転三転したことを気遣う言葉を掛けて下さった。私の方はスタジオ見学というワクワク感を味わっていたので、「とんでもありません。全然大丈夫です」と答えた。
昼休みを挟んで、本番の収録が始まった。ゲストタレントと観客が加わり、いつもの放送のように展開された。そして、提供した脳波測定器は・・・。実際の測定はされなかったものの、小道具として充分すぎるほど使ってもらった。立川志の輔師匠のボケアクションに少し涙が滲むぐらい大いに笑い、一通りの収録は終わった。
志の輔師匠とゲストタレント、そして観客が去った後も、小野アナとディレクターを含む数人のスタッフがブラッシュアップのためのミーティングをしていた。その輪に声を掛け、私はスタジオを後にした。
スタジオ収録から丁度4週間後の2月22日(水)に、この番組は放送された。いつものように、何枚かのOA画像を「テレビ番組協力実績紹介」ページにも掲載させてい頂いた。
一頻りデルタパワーなるものの効用が紹介された後、さて、そのデルタとは何か?という話題に展開した。
これがそのデルタを測ることができる機械である、と登場! しかしまだ、デルタの正体は明かされていない。
脳波測定器BrainPro「FM-919」と脳波解析PCアプリ「パルラックス・プロ」である。
小野アナからヒントが出されるも、志の輔師匠は珍紛漢紛の図。
何とか装着できたが、ちょっと変という感じ・・・。収録中に、スタジオ後ろで大笑いしたシーンだ。
カットされずに放送された。感謝!
そう、デルタとは脳波である。
番組でこれまでに紹介された脳波が提示された。
これは、紹介された順番に上から表示しているのだろうか? 周波数の高い順番に並べるならば、ベータ波、アルファ波、シータ波、デルタ波が正しい。
各波の特徴も記載されているが、これは私の見解とは少し違う。私の見解はこのブログでも度々述べてきた。例えば、「NHK Eテレ『Rの法則』で、テスト勉強に集中する方法の効果を脳波測定で検証。」の通りだ。
最後に、早く&ぐっすり眠る方法として、“筋弛緩法”がスタジオで実演された。
良質な睡眠は、快適人生に不可欠だ!
残念だったのは、番組が推奨する「熟睡を得るための方法」としてメインで紹介されたのが睡眠薬の服用で、その解説に問題があるとして厚生労働省から注意を受け、睡眠や薬理の学会から異議が申し立てられたことだ。
放送から2日後にはHPで訂正され、再放送は別の回に差し替えられ、翌週の本放送では冒頭の3分間で「お詫びと訂正」が流された。
自分がかかわった番組がこのような事態になったことは悲しかったが、この素早い対応は良かったと思う。内容も的確だった。
現在52歳の私が10代の頃に視聴したNHKの科学情報番組「ウルトラアイ」は、脳波の面白さを教えてくれた。脳波とはどういう反応をするものかをレクチャーする際に、今でもこの番組で得たネタを私は使っている。
「ウルトラアイ」のDNAを引き継いでいるのが「ガッテン!」だ。責任と覚悟、そして誇りを持って今後も楽しく色んなことを教えて欲しいと思った。
感謝。
セルシネ・エイム研究所 和田知浩
vol.284 『脳波測定サービスをご注文下さったお客様から「レポート・スタンダード」と「レポート・カスタマイズ」に関する問い合わせを頂いた際の回答。』 2017.1.14
脳波測定サービスを受注した際には、「レポート・スタンダード」を必ずお付けする。そして、ご希望によりオプションの「レポート・カスタマイズ」を追加することも可能である。
脳波測定サービスの実施を1ヶ月後に控えたお客様から「レポート・カスタマイズ」の追加に関するご質問を頂いた際に回答した文書を、少し改変した上で紹介するので、検討の参考にして頂ければ幸いである。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
株式会社○○○○○○
○○様
お世話になっております。
セルシネ・エイム研究所の和田知浩です。
脳波測定サービスのオプション「レポート・カスタマイズ」に関するご質問を下さり、誠にありがとうございます。
今回の測定では、脳波測定器「FM-828」を用います。
基本料金(5万円+税)の範囲(レポート・スタンダード)で、以下のレポートを提出致します。
■施術前後を比較するグラフを提出します。グラフ例は、以下URLに掲載しています。
http://www.selsyne.com/aim/products/FM-828/#gamen9
脳波測定のパートが終了する14時以降もセミナーが続くとのことなので、私は14時で撤収し弊社にてレポート作成を行います。一日で完了する分量を限度に資料を作成しますので、上記以外に、各脳波(周波数)の電位テキストデータや測定グラフ動画もお付けできると思います。
■電位テキストデータの例
http://www.selsyne.com/aim/products/FM-828/#excel
表計算アプリExcel等で開くことにより、お客様独自の解析やグラフ作成ができます。
■測定グラフ動画の例「脳波解析PCソフト『パルラックス2』の紹介」
紹介例で用いている「パルラックス2」とその後継アプリ「パルラックス・ライト」(今回用いる脳波測定器「FM-828」用)の見かけ上のデザインはほぼ同じです。
解析ソフト「パルラックス・ライト」がPCにインストールされていなければ測定データを再生することはできないので、動画(mp4)化してお納めします。以下URLの動画例では私が解説していますが、このような音声は含まれず、PC画面の再生グラフのみを動画化します。
https://youtu.be/OSv0AyKy4Qk
「レポート・カスタマイズ」は、以下のような資料になります。
■集中力メソッドを実践した被験者の実践前後の「集中力の度合」
ブログ「NHK Eテレ『Rの法則』で、テスト勉強に集中する方法の効果を脳波測定で検証。」
記事の最後の方に、集中力アップのメソッド実践の前後を脳波測定した10名のグラフを紹介しています。
http://selsyne.cocolog-nifty.com/blog/2016/09/nhk-e-1617.html
上のグラフは脳波から「集中力の度合」を算出したものですが、今回の測定では「苦手意識/不快感度」若しくは「苦手意識/不快感度が解消したクリアー度」として算出します。算出式につきましては企業秘密のため(大学や企業の研究機関、マスコミに対する協力を除き)公開しておりません。予めご了承下さい。
肯定的結果となった場合は、更に、統計学的にも十分に肯定的と言えるか「有意差判定」を行います。
■統計学的「有意差判定」例「脳波測定結果を統計学的に検定して有意差を判定」
http://www.selsyne.com/aim/nowhadas/sokutei-service.htm#yuuisa
以上のようなレポートを提出致します。
「レポート・スタンダード」を提出した時点で、肯定的か否定的かの判断ができますので、肯定的な結果となった場合のみ、更に詳しい「レポート・カスタマイズ」をご用命頂ければ良いと思います。その時点で、「レポート・カスタマイズ」の料金をお見積もり致します。「レポート・カスタマイズ」の料金は2万円〜20万円+税ですが、今回の内容と分量であれば2万円〜5万円+税の範囲になると思います。
ご不明な点がございましたら、何なりとお問い合わせ下さい。
セルシネ・エイム研究所 和田知浩
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以上が、弊社脳波測定サービスで提出する「レポート・スタンダード」と、そのオプションである「レポート・カスタマイズ」の提出資料に関する質問への回答である。
セルシネ・エイム研究所 和田知浩 |
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