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Lesson5.心にエネルギーを熾す
メルマガ「『成功する人』と『失敗する人』の決定的な違い」 vol8 2002.2.17 配信  より (改訂版) 2005.8.5 upload
すでにお話ししたように、コルパーに成るためのチャンス【問題・障害・逆境】は、誰の元にも何度でも訪れます。そして、直面する人の心構えによって、同じチャンスでも、受け取る“意味”は千差万別となります。周りに溢れんばかりに存在するチャンスを、生かすも殺すもあなたの心構えに掛かっているのです。

これまでに、チャンスを【問題・障害・逆境】という言葉で表現してきていますが、コルパーにとって【問題・障害・逆境】は、非常に強いポジティブ(積極的・肯定的)な対象として認識されます。前のレッスンで、「私が問題に直面したときに、自身の精悍さを感じた」と述べたように、【問題・障害・逆境】は、コルパー自身に確かな手応えと落ち着き、そしてある種の至福感をもたらすのです。本物の「手応え」「落ち着き」「至福感」は、責任と問題を引き受けた者にしかもたらされない、ということをコルパーは知っているのです。だから“チャンス”なのです。前のレッスンでお話しした、【問題・障害・逆境】がチャンスであるということの3つの理由、全てで言えることです。

無尽蔵かつ至る所にあるチャンスですが、見えない人には全く見つかりません。しかし、コルパーは、チャンスに気づき、チャンスを引き寄せます。さらに、チャンス自体をも生み出します。それは、コルパーの心に、ある重要なエネルギーが熾(オコ)っているからです。コルパーに成ることを決意したあなたも、それと同じように、心にエネルギーを熾さなければなりません。このエネルギー熾しに成功すると、人生はダイナミックに展開し始めて、生きる意味を全うできるのです。

そもそも、一つの状態(系)は、外部からのエネルギー流入が無い限りは、不可逆的(元の状態には戻れない)変化しかありません。すなわち、エントロピー(乱雑さ・無秩序さ・不規則さ)は増大し、元の状態はなくなります。これは自然の摂理(万象を支配している法則)です。例えば、植物、創作物、会社、国家、地球等全てです。それは、人の身体や心も例外ではありません。内なるエネルギー、すなわち生気が無くなれば、その系は消滅して、それを構成していた最小単位の部品は混沌とし、いずれまた、別の系の部品として活用されるのです。逆に、
組織や人が、益々何かに“成る”ためには、自らエネルギーを熾し、外部からの新たなエネルギー流入を促進しなければなりません。燃え盛る炎が、周りの空気(酸素)を強力に吸い寄せる、竜巻のような勢いです。

自分の内に“違い”を作ることができると、それと当時に、自分の周辺にも“違い”が生じます。これがチャンスです。歪みと言っても良いでしょう。チャンスを生じさせるためには、まずは自らの内を鍛錬し進化させなければなりません。周辺に生じさせたチャンスへの取り組みは、画竜点睛(ガリョウテンセイ:物事を完成させるために、最後に加える大事な仕事)です。心にエネルギーを熾しているコルパーにとって、この世はチャンスの連続なのです。逆に、酔生夢死の人生を過ごす非コルパーに、チャンスが生じることは無いのです。
※酔生夢死(スイセイムシ:有意義なことを一つもせずに、ぼんやりと無駄に一生を終わること。 中国宋の儒学者、二程子兄弟の言葉)

コルパーとして心にエネルギーを熾す条件、それは「明確な人生目的」を持つということです。

あなたの人生目的は何でしょうか。

幼い頃に形成される心構えは、周囲からの刺激に無防備なまでに晒されることに因ります。しかし、自我が確立した後の心構えは、あなたの「人生目的」が主導権を握って作られます。 コルパーを生きるにあたり、人生目的が重要なコンパス(羅針盤)的役割を果たすのです。目的の無い人生は、続出する出来事に翻弄されるだけです。(コラム:「ロバを担いだ幼い兄弟」) 

もう一度訊きます。あなたの人生目的は何でしょうか。

しかし、回答を強要することはしません。なぜなら、後のレッスンでお話しする「明確な人生目的を持っているのと同等の生き方」を、あなたが実践している可能性があるからです。その可能性を私が認めた上で、できればここで今一度、あなたの人生目的について深く自問してみて欲しいのです。

別の言葉で質問しましょう。「あなたは“命”をどのように“使”いますか?」。 実は、昔ある健康セミナーに私が参加したときの講師からの質問です。“使命”と言われてピンとこなかった私も、“命を使う”という言葉に心が反応しました。命の灯火というか、マッチ棒の先に着いた火をイメージして、「時間の有限性やかけがえのない大切な何か」を強く感じ、深く考えさせられました。自分が今この世に生きていることは、与えられたことかもしれないし、あるいは自分で掴み取ったチャンスかもしれません。(コラム:「閻魔様との約束」

確かに私は、この質問を受けたときに何かが変化し、何かが確立しました。「新しい心構え」と言っても良いでしょう。(コラム:「起業家精神」「起業家に必要な“器のストレッチ”」

コルパーの心構え、それは「明確な人生目的を持った平常不動心」です。



基本問題 応用課題

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